ECの検索機能は接客そのもの 消費者の期待を裏切らない改善を
もうひとつ、店舗でのCXにおいて重要となるのがスタッフの存在だ。求めている情報を直接提供してくれるスタッフとの会話も、消費者が店舗へ足を運ぶ大きなモチベーションとなる。
「スタッフが存在しないECで、代替手段となり得るのがサイト内検索の機能です。ECにおける検索は、『消費者と販売元との対話』だととらえてください。検索に入れる条件は、『店舗でスタッフに投げかける質問』と考えると良いでしょう」(山崎氏)
たとえば、「探している商品の種類」「サイズや色」「予算」などをスタッフに伝える代わりにEC上で絞り込み検索を使い、「新商品」「人気の商品」「お得な商品」などを聞く代わりに、検索結果の並べ替えを用いるというわけだ。
優れた検索機能を実装していれば、店舗で優秀なスタッフが質問に対して的確な答えを提示するように、適切な検索結果を提供することが可能だ。一方、検索機能がきちんと機能していない場合、店舗で在庫の有無を正確に回答できない、商品に対して誤った情報を提供してしまうスタッフを配置していることと同じと言える。そのため、不満を感じた消費者は「気持ち良い体験ができない店」と認識した上で離脱、二度と来訪しない可能性もある。
「検索を行う消費者は積極的にものを買おうとしている可能性が高く、『良い商品を探したい』『見つけたら教えてほしい』という状態です。そこに対して的外れな検索結果を出してしまうのは大きな機会損失であり、消費者の期待を裏切ることになりかねません。もし既存の検索機能が弱いと課題を感じている場合は、ぜひ改善しましょう」(山崎氏)