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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

リンナイがECで高額・要工事のコンロを販売できる理由 約20年で作り上げた顧客体験と次のフェーズ

 1920年創業の老舗企業・リンナイ株式会社が、EC事業に積極的だ。ガスコンロのように買い替える頻度が少ない商品を取り扱うからこそ、オンラインチャネルを通じて顧客と長く付き合える関係構築を目指している。その取り組みを推進するのが、営業本部 営業部 eビジネス推進グループ 課長 亀島直人氏だ。同氏に、EC事業を含めたDXの裏側を聞いた。

メーカーとしてEC事業に挑戦 既存チャネルとの差別化は

 ガスコンロを中心に、人々の生活を支える商品を製造・販売しているリンナイ。1920年の創業後、主に代理店・販売店を介して商品を届けてきた。

 一方で、同社はEC事業も強化している。約20年前の2006年に自社ECサイト「Rinnai Style」を開設。種類が細かな消耗部品から販売をスタートし、2011年にガスコンロなど大型商品の取り扱いも始めた。会員数は2022年に100万人を突破。立ち上げ時よりEC事業を率いてきた亀島氏は「国内メーカー・リンナイに対するお客様からの期待を感じる」と話す。

「EC事業の目的は、お客様のより身近な存在になることです。メーカーとして良い商品やサービスを提供するには、人々のニーズを知る必要があります。そのため、お客様と直接的な接点をもち、理解を深めたいと考えたのです」

リンナイ株式会社 営業本部 営業部 eビジネス推進室 課長 亀島直人氏
リンナイ株式会社 営業本部 営業部 eビジネス推進室 課長 亀島直人氏

 メーカーがEC事業に参入する際、ハードルとなるのが既存販路との差別化だろう。リンナイの場合、Rinnai Styleで販売する商品はすべてEC限定品だ。

「たとえば、初めてガスコンロを自分のために購入する若年層向けの商品を開発しても、ターゲット層が狭いため販売店では取り扱いづらいのが実状です。こうした、ニーズはあるものの市場が小さいと予測できる商品をRinnai Styleで販売しています」

 これにより、明るい印象を与える「HOWARO」、天板などの色を選べる「ILO」といったEC限定の新ブランドが生まれた。

「ILOのカラーの組み合わせは全部で108パターンにものぼります。お客様からのニーズがあっても、種類が細かすぎて販売店で販売するのは難しいでしょう。オンラインだからこそ取り扱える商品です」

「ILO」
「ILO」

 Rinnai Styleでは、会員登録をせずとも商品が購入できる。それにもかかわらず、会員登録まで進むユーザーが少なくないという。その理由の一つが、会員向けの充実したサポートだ。ユーザーは、販売店で購入した商品も含めてマイページで登録・管理できる。型番が登録されていると、商品が故障した際に「修理お申し込みボタン」から修理依頼をスムーズに行える。

「販売店で取り扱う商品にも、本体に商品登録用の二次元コードを付与しています。Rinnai Styleで購入していない商品でもマイページへ機器情報の登録が可能です。また、会員登録を促すチラシを配布するなど、オフラインでの施策も行ってきました。私たち営業部門だけでなく、商品開発・製造部門や修理サポート部門など、他部署との協力によって成り立っています」

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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