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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ECzine Day 2025 Winter レポート

リテールメディア、参入するなら失敗談の把握を Green Beans・au PAY マーケット対談

 小売にとって、EC収益拡大やデータ活用の活性化につながる手段として期待されているリテールメディア。この市場が、近年日本でも急拡大している。2025年2月4日に開催した「ECzine Day 2025 Winter」にて、このポテンシャルに着目して挑戦を続ける2社の事例を紹介。イオンのネット専用スーパー「Green Beans」を手がけるイオンネクスト株式会社 メディアビジネス推進 担当部長の藤田泰寛氏、総合マーケットプレイス「au PAY マーケット」を運営するauコマース&ライフ株式会社 サービス統括本部 プロダクト戦略部の毛利憲正氏が登壇し、両社の試行錯誤から得た学びや、今後の業界展望について語った。

Green Beans・au PAY マーケット それぞれの特徴は?

 2023年に「リテールメディア元年」を迎えたといわれる日本。徐々に事例の数も増えつつあるが、自社ECとモールといったチャネルの違いや広告枠の設け方などアプローチは各社それぞれで、何が“最適解”なのか悩む方も多いのではないだろうか。

 本セッションでは、まずイオンネクストが2023年7月より展開しているイオンのネット専用スーパー「Green Beans」と、モール事業としては10年以上の歴史をもつ「au PAY マーケット」それぞれの売り場・リテールメディアの特徴について触れられた。

「Green Beansは、サービス開始から1年9ヵ月(2025年3月時点)が経過したネットスーパーで、会員登録者数は約45万人以上を記録しています(同年1月時点)。配送時間は7時から23時の中から1時間単位で指定可能で、最大5万品目の商品を取り扱える点が特徴です」(イオンネクスト 藤田氏)

イオンネクスト株式会社 メディアビジネス推進 担当部長 藤田泰寛氏
イオンネクスト株式会社 メディアビジネス推進 担当部長 藤田泰寛氏

 現在、1CFC(顧客フルフィルメントセンター)・7スポーク(中継地点)で運営をしているGreen Beansは、東京23区全域と千葉県主要都市部、神奈川県川崎市・横浜市の一部でサービス利用が可能となっている。2026年以降、東京都・埼玉県に新たなCFC2ヵ所を開設予定で、これによって東京都の西部と埼玉県などへの対象エリア拡大を見込んでいるという。

私たちが運営しているのは、単なる“ネットスーパー”ではなく、“ネット専用スーパー”です。『End to End』をコンセプトとし、お客様、生産者、商品、サプライヤーなどをつなげて価値提供することを目指しています」(イオンネクスト 藤田氏)

 対するau PAY マーケットは、日用品や食品、ファッション、インテリア、家電など様々な商材を扱う事業者が出店するモールだ。30代から50代の女性をメインターゲットとし、視聴者とコミュニケーションを図りながら商品を紹介する「ライブTV」や、資本業務提携を結ぶローソンとシナジーを発揮してPontaポイントを活用したキャンペーンを展開するなど、新しさとお得さを兼ね備えた購買体験の提供を目指している。

広告ニーズに応え、自社の成長にもつながるリテールメディア参入のメリット

 そんな両社が、リテールメディアの展開を開始した理由はどこにあるのか。イオンネクスト・藤田氏は「販促支援ソリューションとしてサプライヤー向けの価値提供と顧客共創を目指すため」、auコマース&ライフ・毛利氏は「用途やニーズが異なるメーカーの広告ニーズに対応するため」と理由を説明。藤田氏は、さらにリテールメディア活用によってもたらされる効果についても言及した。

「リテールメディアの枠を設けることで、単に広告収益を獲得するだけでなく、購買の活性化も実現できます。バスケット単価が上がれば、サプライヤーの売上増への貢献に加え、得た収益を新規顧客獲得やブランディング、CRMなど、Green Beansそのものの成長につながる基盤強化に投資することが可能です。相乗効果を生む“手段”として、当社にとっては欠かせないものだといえます」(イオンネクスト 藤田氏)

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黎明期にau PAY マーケットがぶつかった壁 失敗から得た“ある広告枠”のポテンシャル

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この記事の著者

加納由希絵(カノウ ユキエ)

 フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/16384 2025/03/24 07:00

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