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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ECzine Day 2025 Winter レポート

LINEギフト・楽天市場に販路を広げる宮城のメーカーにしき食品 少人数運営の工夫とチャネル戦略を語る

 限られたリソースで事業成長を実現する──EC担当者は、このミッションをどう達成するか日々苦戦しているのではないだろうか。そんな中、宮城県のレトルト食品メーカー 株式会社にしき食品は、現在実働3名で自社ブランド「NISHIKIYA KITCHEN」のEC推進に取り組み、自社EC、LINEギフト、楽天市場、Makuakeなど、販路と売上の拡大を実現している。その成長の秘訣はどこにあるのか。本記事では、2025年2月4日開催の「ECzine Day 2025 Winter」にて営業本部 通販部 主任の大場明日香氏が行った講演をレポートする。

OEMから自社ブランドを確立 特別感のあるレトルトづくりに励むにしき食品

 1939年、宮城県仙台市で佃煮製造業として創業したところから歴史が始まったにしき食品。レトルト食品の製造は1980年代より本格化し、ファミリーレストランやコンビニエンスストア向けの業務用製品を中心に事業を拡大してきた。

 その後、時代の変化に対応しながら、2000年代にはプライベートブランド(PB製品)の開発・製造といったOEMを本格化。素材を生かした味づくりの技術を磨き、レトルト食品に特化した専門メーカーとしてクライアントの要望に応える商品を生み出してきた。

 そんなにしき食品が自社ブランドとEC展開を開始したのは、2010年頃のことだ。当初は「にしきや」というブランド名で販売を開始し、2021年には「NISHIKIYA KITCHEN」へのリブランディングを実施。「世界の料理を『カンタン』に。」をコンセプトに、現在はこれまでの知見を結集したカレーやスープ、パスタソースなど約120種類を展開している。今では、自社ECのみならず、LINEギフト、楽天市場などモールへの出店、Makuakeでのプロジェクト実施や実店舗、ポップアップ展開など、販路強化にも積極的だ。

「当社の強みは、素材へのこだわりとOEM製造で培った技術力です。特にカレーには強いこだわりをもっており、インドでのカレー修行を10年強で20回以上重ねてきました。こだわりが強すぎて、一時期はインドカレーだけで32種類をラインアップしていたほどです。本場の味を追求するため、カレー製造時に欠かせないカレーリーフというスパイスを地元・宮城県蔵王町の農家と共同開発・栽培するといった取り組みも行っています」

株式会社にしき食品 営業本部 通販部 主任 大場明日香氏
株式会社にしき食品 営業本部 通販部 主任 大場明日香氏

 NISHIKIYA KITCHENが展開する商品の価格帯は、1品あたり約400円から600円ほど。一般的なレトルト食品よりは少々高価格だが、「素材にこだわった特別感のあるレトルト」というポジショニングを確立した結果、現在はギフト需要が売上全体の40%を占めているという。また、手軽さとマニアックさを共存させたバランス感によって、「レモンクリームチキンカレー」や「コーンポタージュ」といった主力商品のみならず、ライス入りで常温保存ができる「ビリヤニ」など、マニアの心をくすぐる注目商品も生み出している。

「当社はものづくりの会社です。商品開発部が『本当に良い商品をつくろう』と強いこだわりをもち、当たり前のように追求してきました。EC売上を拡大する通販部としては、こうした独自のこだわりや強みをしっかりと言語化し、お客様に伝えていくのが重要だと考えています」

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実働3名で自社EC・複数モールを運営 体制構築の秘訣は?

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この記事の著者

山田優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川県出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/16322 2025/03/11 07:00

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