前回の記事はこちら
大きく変化するSEOトレンド 今は「○○の解決」が鍵に
自社が運営するECサイトの流入を増やすには、GoogleやYahoo! JAPANといった検索エンジンから流入を獲得するためのSEO対策が欠かせません。しかし、アフィリエイトサービス「A8.net」の運営企業で働く私の目から見ても、この5、6年ほど(およそ2019年以降)でGoogleの検索結果やSEOを取り巻く環境は大きく変化したと感じています。
たとえば、以前は「化粧品 おすすめ」と検索した際に、主に上位にまとめ記事を掲載する個人ブログやキュレーションサイトが並んでいました。しかし、多くの企業がSEO対策の重要性に気づき、オウンドメディア運営や独自コンテンツの発信に注力したことで、今では法人が運営する大規模比較サイトや、ZOZOTOWNやギフト系のECモール、百貨店の自社ECサイトなどが検索結果の上位を占めています(2025年3月時点)。
このようなドメインパワーをもつ法人のSEO対策強化と同時に、検索エンジンのアルゴリズムも日を追うごとに進化し、精度を高めています。また、検索結果に表示される要素も変化しており、今ではSNS投稿や生成AIによるサジェストも検索ワードによっては表出するようになりました。
こういった経緯から、いわゆる「SEOハック」と呼ばれる小手先のテクニックで上位表示するのは、もはや難しい時代だといえます。今、重要視されているのは「いかに検索ユーザーの悩みを解決できるか」です。これからSEO対策をする場合は、この点を理解して取り組んでいかなければなりません。
立ち上げ初期のECサイト 目指すべき1日あたりのUU数は?
SEO対策は「自社の立ち位置の把握」から始まります。まずは対策したいウェブサイトのパフォーマンスを振り返っていきましょう。主に確認すべき指標は、次の3つです。
- UU数(ユニークユーザー数):一定期間内にウェブサイトを訪れたユーザーの数
- セッション数:ユーザーが一定期間内にウェブサイトにアクセスした回数
- PV数(ページビュー数):一定期間内にウェブサイトのページが閲覧された回数
実店舗をもつ企業・ブランドの方は、これらを実店舗の指標に置き換えるとわかりやすいかもしれません。UU数は「来客数」、セッション数は「来店回数」、PV数は「お客様が商品を見た回数」だといえます。
EC担当者のミッションは「ECサイトに訪問したお客様に購入してもらい売上を作ること」で、その達成に向けた施策を行うのが主な仕事でしょう。しかし、ECサイトを訪問するお客様の数が増えなければ、売上増に向けた取り組みも始められません。そのため、UU数を伸ばすためのアクションも必然的に求められます。
こうお伝えすると、「立ち上げ初期は、どの程度のUU数を目指すべきなのか」と目安を知りたい方も出てくるでしょう。実際は運営期間や公開しているコンテンツ数(ECサイトの場合はSKUや商品詳細ページの数)にもよりますが、まずは1日あたり30から50程度のUU数を目標として、対策を練ることをおすすめします。既に実店舗がある、ブランドや商品の知名度がある場合は、来客数や購入者数も加味して目標を決めてみると良いでしょう。