リピート率数十% ブランド力向上に貢献した「12/JU-NI」の勝因は?
高松(フロアスタンダード) では、最初のブレイクスルーのタイミングはいつだったのでしょうか?
木村(木村石鹸) 売上は徐々に伸びていった形なので、明確に「ここ」といえるポイントは浮かばないのですが、強いていえば「12/JU-NI」を出したタイミングです。2019年12月にクラウドファンディングをスタートさせて、2020年4月に発売を開始したのですが、ここで売上が飛躍的に伸びました。
高松(フロアスタンダード) 「12/JU-NI」に何か売れる秘訣でもあったのでしょうか?
木村(木村石鹸) 2015年に自社ブランドを開始し、4年間地道に運営をしていく中で当社のブランドを知っている方も徐々に増えていました。そんな状況下で、新しいヘアケアブランドの開発をしていることをSNSで発信したところ、掃除用洗剤やボディソープよりも良い反応をいただけたのです。そこで、興味を持った方にサンプルを利用してもらったところ、段々と盛り上がりが生まれ、クラウドファンディングでうまく爆発した……といったところでしょうか。結果、クラウドファンディングでは想像を超える約750人、金額にして500万円ほどの支援をいただきました。
参考:「12/JU-NI」開発当初のエピソード
高松(フロアスタンダード) クラウドファンディングでの反響が大きかったんですね。
木村(木村石鹸) タイミングも良かったのだと思います。販売当初の2020年春はちょうどコロナ禍の巣ごもりとなっていた時期でした。明るい話題があまりない中で新しい商品を自宅で受け取り、すぐに「12/JU-NI」を利用してくださった方も多かったです。
「12/JU-NI」はパッケージにもこだわり、商品に手書きの手紙を付けるなどの工夫も施したおかげか、SNSでシェアしてくださる方も多く、話題となりました。そして、SNSを見た多くの方が購入してくださったため、用意した商品はすぐに売り切れとなり、それがまだ「買えない」と話題になる……こうした循環が回り始めたのです。
そして、購入できなかった方々を取りこぼさないよう、販売開始時にお知らせが届くLINE公式アカウントへの登録を案内したところ、登録者も右肩上がりで増えました。2020年5月に販売を再開した際もすぐに売り切れ、それがまた話題となり……という状況が同年9月頃まで続きましたね。
高松(フロアスタンダード) 欠品時のフォローもきちんと行っていたのですね。
木村(木村石鹸) 当社としては、欠品マーケティングをしたかったわけではないんです。この頃はまとまった量を作れず、製造に苦しんでいました。9月以降も売れ行きは良く、買ってくださった方のリピート率も数十%と好調で売上が積み上がる良い循環となり、木村石鹸のブランドそのものを飛躍させてくれたと思います。