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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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検索後CVR3倍!アーバンリサーチがレビューとサイト内検索の両軸で目指す「顧客に寄り添うEC」

 アパレル小売を中心に飲食やライフスタイル事業など、全国に約250店舗を展開するアーバンリサーチ。積極的にデジタル施策を推進してきた同社は、ECのさらなる強化を図るべく2019年にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、2020年にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入。その後半年でサイト内回遊率・検索後のコンバージョン率が約3倍に増加した。順風満帆に進んでいるように見える同社だが、両エンジン導入前のECサイトには大きな課題があったと言う。アーバンリサーチが考える「顧客に寄り添うEC」とは。サイト刷新に携わったアーバンリサーチ、ZETAの4人に話を聞いた。

パーソナライズで価値ある情報を アーバンリサーチCX向上の取り組み

 メンズ・レディースウェアの製造・販売および小売まで、トータルに手掛けるアーバンリサーチ。17のファッションブランド、6のフード&ライフスタイルブランドを擁し、全国に約250店舗を展開する。同社では、カジュアルテイストをベースに多彩なウェアや雑貨を取り扱うECサイト「UR ONLINE STORE」を運営。顧客に支持されるECサイトにするために、商品情報はもとより、店舗スタッフによるスタイリング提案やレビューなど、顧客にとって有用な情報を提供することを目指してきた。

清水(アーバンリサーチ) 当社のECは、事業として単に販売を行うだけでなく、リアル店舗と同様にひとつのメディアととらえ、多彩な情報を提供することを意識して施策を進めてきました。オムニチャネル・OMO推進のため、クロスユースやユニファイドコマース、クリック&コレクトなどを意識しながら、お客様がリアル店舗とECの両方を適切に活用できるような機能強化に取り組んでいます。たとえば、来店前にウェブ上で商品を確認する「ウェブルーミング」や、お客様に寄り添った商品をレコメンドする「パーソナライズ」がその一部です。顧客体験の向上を目指しつつ、購買・行動データを活用することで、お客様1人ひとりに寄り添うことができるサービスへとブラッシュアップしていきたいと考えています。

株式会社アーバンリサーチ デジタル営業部 CRM課 マネージャー 清水樹二也氏
株式会社アーバンリサーチ デジタル営業部 CRM課 マネージャー 清水樹二也氏

 「UR ONLINE STORE」では、現在多くのECサイトで実装されている「取り置きサービス」や「試着サービス」が約5年前に盛り込まれるなど、かねてよりユーザーの利便性を追求してきた。とくに近年は、コロナ禍のもとECを利用する人が増えたことから、さらなる機能強化に努めている。

清水(アーバンリサーチ) ECのリテラシーが高まるにつれ、「使いやすさ」が当たり前になりつつあります。大手ECモール慣れしたお客様がアーバンリサーチのECサイトに来られた時、どれほど情緒的な買い物体験が提供できていたとしても、「読み込みが遅い」「アプリが使いにくい」といった印象を与えてしまっては勝負になりません。利便性がすべてではありませんが、買わない理由のひとつとなるのは避けたい。お客様にとってサイトを利用する上でマイナス要素となるものは、リソースをしっかりと投入して取り除いていきたいと考えています。

 はたして“マイナス要素”とは何か。アーバンリサーチでは、ECの施策において、顧客の不安がどこにあるのか、何が障壁となって購買に至らないのかを考え続けている。

清水(アーバンリサーチ) アパレルのECサイトでは、売上ランキングなど「人気がある」情報に基づき、レコメンドするのが一般的です。しかし、ライフスタイルや体型、仕事の内容などはお客様それぞれで異なります。「自分と個人的な事情が似ている人」のコメントこそ、購買の意思決定に重要な情報だと考えました。それが「レビュー」であり、今後さらに重要度が増すだろうと予測しています。

 そこでアーバンリサーチが導入したのが、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」だ。「ZETA VOICE」では商品を購入した人がレビューをする際、評価点やコメントに加え、評価者の情報やアンケート回答などの情報も入力することが可能。レビューを参考にしたいユーザーは「トップ評価」や「新しい順」などの並び替えや評価ごとの絞り込みのほかに、評価者の体型や年齢・性別などで絞り込みを行い、閲覧することができる。レビューが役に立った際には「参考になったボタン」を押すなどして、レビュー自体を評価することも可能となっている。

出張(ZETA) アーバンリサーチ様に「ZETA VOICE」を導入いただいたのは2019年9月で、当社のレビューエンジン導入実績でも3社目という、非常に早い時期でした。一般的にレビューは5段階評価が多いのですが、ファッションはサイズや体型、好みなどで大きく変わります。そこで「ZETA VOICE」は、さまざまな軸のレビューを通じて、「レビューを見た人がその商品について『私にとってちょうど良いか』の判断ができるように」と考えて開発してきました。5段階評価に隠れている「本当の理由」を表すには、評価者が重視していることや利用状況、目的、ライフスタイルなどを閲覧可能にする必要があります。こうした取り組みが、お客様1人ひとりに寄り添うアーバンリサーチ様のお考えに合致したのだと考えています。

ZETA株式会社 執行役員副社長 博士(情報科学) 出張純也氏
ZETA株式会社 執行役員副社長 博士(情報科学) 出張純也氏

 たとえば、ほかの人が「ぴったりサイズ」と評価した服が自分に合うかどうかはわからない。また、デザイナーやブランドによってもサイズ感は大きく異なる。しかし「ZETA VOICE」では、前述のような仕組みから蓄積したデータを元にサイズや身長で評価者を絞り込み、自分と似た体格の人のレビューを参考にして「サイズ感」をとらえることが可能だ。「サイズでの失敗経験」を減らすことができれば、購買に対する満足度も必然的に上昇する。

清水(アーバンリサーチ) 単純に販売金額や点数で“売れ筋“を評価しようとすると、価格が高いものや大量に売れたものになります。しかし、売れはしたが実は「失敗した」と感じている人が多い商品や、反対にそれほど多く売れていなくても誰もが満足した「隠れた人気商品」も存在します。このような商品について、「普段用に買ったけれどフォーマルでも使える」「気に入って繰り返し着ている」など、実際に購入したお客様の「買って良かった」情報を提供することができれば、ほかのお客様の商品選びにも役立つでしょう。また、UGCが一般的になりつつある現在、お客様にとって好きなブランドをお薦めすることは喜びのひとつです。「ZETA VOICE」を導入したことで、お客様同士の交流の場を公式サイトで提供することができたと考えています。

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両社のタッグで抜本的なEC改善 ユーザー目線でUIを追求

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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