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ECzine Academy(イーシージン・アカデミー)とは、自社ECのプロフェッショナルの育成を支援する講座の総称です。ECzine編集部が企画し、基本となる「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」ほか、その時々のトレンドをいち早く学んでいただけるようテーマ別講座をご用意しています。

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2022 Summer

2022年6月8日(水)10:00~16:50

「季刊ECzine」とは、年に4回、EC業界の重要ポイントだけをまとめてお届けする紙の雑誌です。ECの最新トレンドを取り上げた「特集記事」のほか、重要なトピックスに関する知識を上書き保存する「定点観測」、EC業界のニュースや記事を振り返るコーナーなど、自社のECビジネスを俯瞰していただく際のヒントになる内容が満載です。

季刊ECzine

2022年春号(vol.20)
特集「Refine CX ~EC起点のデータで創る次世代コマース体験~」

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検索後CVR3倍!アーバンリサーチがレビューとサイト内検索の両軸で目指す「顧客に寄り添うEC」

 アパレル小売を中心に飲食やライフスタイル事業など、全国に約250店舗を展開するアーバンリサーチ。積極的にデジタル施策を推進してきた同社は、ECのさらなる強化を図るべく2019年にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、2020年にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入。その後半年でサイト内回遊率・検索後のコンバージョン率が約3倍に増加した。順風満帆に進んでいるように見える同社だが、両エンジン導入前のECサイトには大きな課題があったと言う。アーバンリサーチが考える「顧客に寄り添うEC」とは。サイト刷新に携わったアーバンリサーチ、ZETAの4人に話を聞いた。

パーソナライズで価値ある情報を アーバンリサーチCX向上の取り組み

 メンズ・レディースウェアの製造・販売および小売まで、トータルに手掛けるアーバンリサーチ。17のファッションブランド、6のフード&ライフスタイルブランドを擁し、全国に約250店舗を展開する。同社では、カジュアルテイストをベースに多彩なウェアや雑貨を取り扱うECサイト「UR ONLINE STORE」を運営。顧客に支持されるECサイトにするために、商品情報はもとより、店舗スタッフによるスタイリング提案やレビューなど、顧客にとって有用な情報を提供することを目指してきた。

清水(アーバンリサーチ) 当社のECは、事業として単に販売を行うだけでなく、リアル店舗と同様にひとつのメディアととらえ、多彩な情報を提供することを意識して施策を進めてきました。オムニチャネル・OMO推進のため、クロスユースやユニファイドコマース、クリック&コレクトなどを意識しながら、お客様がリアル店舗とECの両方を適切に活用できるような機能強化に取り組んでいます。たとえば、来店前にウェブ上で商品を確認する「ウェブルーミング」や、お客様に寄り添った商品をレコメンドする「パーソナライズ」がその一部です。顧客体験の向上を目指しつつ、購買・行動データを活用することで、お客様1人ひとりに寄り添うことができるサービスへとブラッシュアップしていきたいと考えています。

株式会社アーバンリサーチ デジタル営業部 CRM課 マネージャー 清水樹二也氏
株式会社アーバンリサーチ デジタル営業部 CRM課 マネージャー 清水樹二也氏

 「UR ONLINE STORE」では、現在多くのECサイトで実装されている「取り置きサービス」や「試着サービス」が約5年前に盛り込まれるなど、かねてよりユーザーの利便性を追求してきた。とくに近年は、コロナ禍のもとECを利用する人が増えたことから、さらなる機能強化に努めている。

清水(アーバンリサーチ) ECのリテラシーが高まるにつれ、「使いやすさ」が当たり前になりつつあります。大手ECモール慣れしたお客様がアーバンリサーチのECサイトに来られた時、どれほど情緒的な買い物体験が提供できていたとしても、「読み込みが遅い」「アプリが使いにくい」といった印象を与えてしまっては勝負になりません。利便性がすべてではありませんが、買わない理由のひとつとなるのは避けたい。お客様にとってサイトを利用する上でマイナス要素となるものは、リソースをしっかりと投入して取り除いていきたいと考えています。

 はたして“マイナス要素”とは何か。アーバンリサーチでは、ECの施策において、顧客の不安がどこにあるのか、何が障壁となって購買に至らないのかを考え続けている。

清水(アーバンリサーチ) アパレルのECサイトでは、売上ランキングなど「人気がある」情報に基づき、レコメンドするのが一般的です。しかし、ライフスタイルや体型、仕事の内容などはお客様それぞれで異なります。「自分と個人的な事情が似ている人」のコメントこそ、購買の意思決定に重要な情報だと考えました。それが「レビュー」であり、今後さらに重要度が増すだろうと予測しています。

 そこでアーバンリサーチが導入したのが、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」だ。「ZETA VOICE」では商品を購入した人がレビューをする際、評価点やコメントに加え、評価者の情報やアンケート回答などの情報も入力することが可能。レビューを参考にしたいユーザーは「トップ評価」や「新しい順」などの並び替えや評価ごとの絞り込みのほかに、評価者の体型や年齢・性別などで絞り込みを行い、閲覧することができる。レビューが役に立った際には「参考になったボタン」を押すなどして、レビュー自体を評価することも可能となっている。

出張(ZETA) アーバンリサーチ様に「ZETA VOICE」を導入いただいたのは2019年9月で、当社のレビューエンジン導入実績でも3社目という、非常に早い時期でした。一般的にレビューは5段階評価が多いのですが、ファッションはサイズや体型、好みなどで大きく変わります。そこで「ZETA VOICE」は、さまざまな軸のレビューを通じて、「レビューを見た人がその商品について『私にとってちょうど良いか』の判断ができるように」と考えて開発してきました。5段階評価に隠れている「本当の理由」を表すには、評価者が重視していることや利用状況、目的、ライフスタイルなどを閲覧可能にする必要があります。こうした取り組みが、お客様1人ひとりに寄り添うアーバンリサーチ様のお考えに合致したのだと考えています。

ZETA株式会社 執行役員副社長 博士(情報科学) 出張純也氏
ZETA株式会社 執行役員副社長 博士(情報科学) 出張純也氏

 たとえば、ほかの人が「ぴったりサイズ」と評価した服が自分に合うかどうかはわからない。また、デザイナーやブランドによってもサイズ感は大きく異なる。しかし「ZETA VOICE」では、前述のような仕組みから蓄積したデータを元にサイズや身長で評価者を絞り込み、自分と似た体格の人のレビューを参考にして「サイズ感」をとらえることが可能だ。「サイズでの失敗経験」を減らすことができれば、購買に対する満足度も必然的に上昇する。

清水(アーバンリサーチ) 単純に販売金額や点数で“売れ筋“を評価しようとすると、価格が高いものや大量に売れたものになります。しかし、売れはしたが実は「失敗した」と感じている人が多い商品や、反対にそれほど多く売れていなくても誰もが満足した「隠れた人気商品」も存在します。このような商品について、「普段用に買ったけれどフォーマルでも使える」「気に入って繰り返し着ている」など、実際に購入したお客様の「買って良かった」情報を提供することができれば、ほかのお客様の商品選びにも役立つでしょう。また、UGCが一般的になりつつある現在、お客様にとって好きなブランドをお薦めすることは喜びのひとつです。「ZETA VOICE」を導入したことで、お客様同士の交流の場を公式サイトで提供することができたと考えています。

両社のタッグで抜本的なEC改善 ユーザー目線でUIを追求

 さらにアーバンリサーチでは「ZETA VOICE」導入の翌年である2020年9月に、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入している。清水氏は「オムニチャネル・OMO推進を行う中で、自社ECサイトの使いにくさを実感していた」と語る。

清水(アーバンリサーチ) 2018年~2019年当時、当社はほかのアパレル企業と比べてEC化率が高いと言われていました。しかし実態は、ZOZOTOWNや楽天市場などのモールに依存した状況で、検索機能の能力不足もあり、自社ECサイトは決して「買い物がしやすい」とは言えないものでした。こうした状況を理解しながらも自社ですべての対応をするのは難しいため、アパレルECに知見をお持ちのZETA様に依頼することを決定しました。2019年の導入以降、すでに成果が出ていた「ZETA VOICE」とレコメンド・スタイリング・画像検索といったさまざまな機能を連携し、ワンストップで利用していきたいという考えから、2020年には「ZETA SEARCH」を導入しました。これまでお付き合いをさせていただく中で、「ユーザー目線も併せ持ちながら、当社のECを一緒に変えようとしてくださっている」と感じ、厚い信頼を寄せていました。私たちの思いを汲みつつ、私たちの目が届かない部分までカバーしていただけるのは本当にありがたいです。

 「ZETA SEARCH」導入後の「UR ONLINE STORE」では、双方で綿密なやり取りのもと、ZETAの知見を活かしてUIも含めた大改修が一気に進められた。

市川(ZETA) アーバンリサーチ様から「UI改善案」を事前にいただき、それに応える形でZETAからそれまでの知見を元にご提案を差し上げるという進行方法でした。実は、UI改善についての資料を事業者様側で事前にご用意いただけるケースは稀で、アーバンリサーチ様が本気でいらっしゃることが強く伝わってきました。アイデアは豊富に出ましたが双方で調整し合いながら、たいへんスムーズに進めることができました。

ZETA株式会社 セールスグループ マネージャー 市川敬貴氏
ZETA株式会社 セールスグループ マネージャー 市川敬貴氏

出張(ZETA) 「ZETA SEARCH」は、機能の適用やチューニングをクライアント様に合わせて行うことで効果を発揮するソリューションです。アーバンリサーチ様の求めるECサイト像に合わせて具体的な提案を示し、1つひとつを愚直に進めてきました。

 アーバンリサーチがZETAのサービスを選定後、社内を巻き込みながら大々的に施策にあたったのは、清水氏の意向によるものだと言う。すべての要件をアーバンリサーチ側で決め、ZETAにはひっそり対応してもらう方法もあったが、あえて目立つ形でプロジェクト化した。

清水(アーバンリサーチ) お客様にはもちろんのこと、当社の経営層にも「断然使いやすくなった!」と実感してもらう必要がありました。そこで、まずはECサイトのデザイナーをアサインして、ZETA様とすり合わせながら、抜本的にUIを変えました。目立つところに検索枠を作成・虫メガネマークを配置、商品ページの開き方を新しくするなど、見た目で「変わった!」という印象を与えられるようにしました。その結果、店舗スタッフからも「ECサイトが良くなった」という評価が多く上がり、「ECを改善していく」という共通意識を会社全体で持つことができるようになりました。

サイト内の直帰率減少 「欲しい」に応える居心地の良いECに

 「ZETA VOICE」および「ZETA SEARCH」の導入で、アーバンリサーチのECにどのような成果がもたらされたのだろうか。同社では「ZETA SEARCH」導入前の2020年8月に、5,000人のユーザーを対象にNPSスコアを取得。顧客のロイヤリティに関する調査を実施した。調査結果では、配送や返品対応などの評価は高かったものの、「サイトが重い」「適切な検索結果が表示されない」などの声が多く、清水氏は「わかっていたとはいえショックを受けた」と当時を振り返る。

 しかし、「ZETA SEARCH」導入から半年後、サイト内検索機能の利用数は135%に増加。さらにサイト内回遊率や、検索後のコンバージョン率がどちらも約3倍にまで増加した。また、検索を利用したユーザーの直帰率は5分の1となり、サイト内で検索以外の機能が活用されることも増えたと言う。

清水(アーバンリサーチ) EC自体のセッションが115%と伸びていますが、検索利用数はさらに多く、135%となりました。今後も検索を使うユーザーはさらに増えると予想しています。直帰率も減少傾向で、コロナ禍のもと会社全体の業績は伸び悩んだものの、EC関連の数字は伸長。2021年秋ごろにはZETA導入前の売上と比較して1.5〜2倍程度になると期待しています。

 アーバンリサーチは、2021年8月に再びNPSスコアを取得することを予定しており、それが同社における正規の“通信簿”になる。

出張(ZETA) サイト内の回遊率が上がり、直帰率が下がっているということは、検索結果がユーザーの「欲しい」気持ちにしっかりと応えることができた証ではないかと思います。検索は入口であり、そこで満足してもらえなければ、ユーザーはサイト自体から離脱してしまいます。その間口を広げることができた実績は大きいと考えています。

荏原(ZETA) 検索された内容をたどると、カテゴリやブランド一覧からの経由が多いことがわかります。これは、検索結果が「それぞれのカテゴリやブランドに対してユーザーが抱いているイメージ」と合致しており、ユーザーのニーズに的確に応えることができた結果だと思います。また、キーワード検索に関してもユーザーが求める商品に対して、より適切な結果を表示することができるようになっています。

ZETA株式会社 エンジニア 荏原大樹氏
ZETA株式会社 エンジニア 荏原大樹氏

市川(ZETA) 定量面では、検索後のコンバージョン率が3倍になったのは素晴らしい結果だと考えます。今後は定性面で、さらにユーザーの要望に応える検索にできるよう工夫していきたいですね。また、「ZETA VOICE」でもすでにユーザー同士のコミュニケーションが始まっていますが、さらに一歩進めて、たとえばレビュアーのフォロー機能などを搭載し、「このレビュアーから買う」というような事象を生み出せるとおもしろいと考えています。こちらは現在、新機能として開発しているところです。

ECを提案の場に 更なるユーザビリティ向上で潜在ニーズを引き出す

 アーバンリサーチ、ZETAの両社は今後、「お客様の全体像をつかみながら、個別対応を進化させる」方向でアーバンリサーチのECサイトの体験を改善していく予定だ。

清水(アーバンリサーチ) たとえば人気商品が売り切れた時、検索結果に完売商品が表示されていると、通常はユーザビリティを損ねます。しかし、「ZETA VOICE」で蓄積したレビューをもとにレコメンド機能を活用し、完売した商品と似た商品を検索結果に併せて表示できれば、新しい購買を生む可能性がありますよね。このようなツール連携で、より多彩なパーソナライズが実現していくのではと考えています。一方で、サイト内検索を使いこなすことができるのは、欲しいものがある程度明確なお客様です。「街で見た“あれ”がほしい」「何かを買いたいけど何を買えばいい?」といった曖昧な顧客層や潜在ニーズにも対応していきたいですね。「アーバンリサーチのECサイトを探せば、何かしら良いものが見つかる」という安心感が提供できればと思っています。

 従来、このような曖昧なニーズは店舗スタッフがリアルな接客で対応してきた。しかしながらオンラインのみでつながる顧客が増えつつある中、テクノロジーを活用することでECサイト上でも解決することが求められている。このようなアーバンリサーチの期待に応えるべく、ZETA側も「『ZETA SEARCH』『ZETA VOICE』両エンジンを活用するからこそ可能になる新たな提案も行いたい」と熱意を見せる。そして、その先には“感情“を加味した検索で、ユーザーの満足度を最大限に上昇させる世界を思い描いていると言う。

出張(ZETA) リアル店舗のように「顧客に寄り添うEC」をアーバンリサーチ様と一緒に考えていきたいですね。具体的には、過去に検索したユーザーが「どのように行動して何を購入したか」をデータで取得し、AIで分析することで、同様の検索をしたユーザーに「ほかのお客様はこのようになさいました」と提案する仕組みも構想中です。実現すれば、店舗スタッフが接客に活用することもできるでしょう。このように「店舗用ツールとしてのEC」の方向性で改善を重ねていくことも、オムニチャネル・OMO推進、そして曖昧なニーズを解決していくには不可欠だと考えています。

 クライアントとベンダーの壁を越え、ともに「顧客に寄り添うECサイト」を目指し、アーバンリサーチのECサイトは進化を続けていく。

集合写真

▼ZETAが提供するECマーケティング・リテールDXを支援するソリューション「ZETA CX シリーズ」の資料はこちらよりダウンロードいただけます。

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