サイト内の直帰率減少 「欲しい」に応える居心地の良いECに
「ZETA VOICE」および「ZETA SEARCH」の導入で、アーバンリサーチのECにどのような成果がもたらされたのだろうか。同社では「ZETA SEARCH」導入前の2020年8月に、5,000人のユーザーを対象にNPSスコアを取得。顧客のロイヤリティに関する調査を実施した。調査結果では、配送や返品対応などの評価は高かったものの、「サイトが重い」「適切な検索結果が表示されない」などの声が多く、清水氏は「わかっていたとはいえショックを受けた」と当時を振り返る。
しかし、「ZETA SEARCH」導入から半年後、サイト内検索機能の利用数は135%に増加。さらにサイト内回遊率や、検索後のコンバージョン率がどちらも約3倍にまで増加した。また、検索を利用したユーザーの直帰率は5分の1となり、サイト内で検索以外の機能が活用されることも増えたと言う。
清水(アーバンリサーチ) EC自体のセッションが115%と伸びていますが、検索利用数はさらに多く、135%となりました。今後も検索を使うユーザーはさらに増えると予想しています。直帰率も減少傾向で、コロナ禍のもと会社全体の業績は伸び悩んだものの、EC関連の数字は伸長。2021年秋ごろにはZETA導入前の売上と比較して1.5〜2倍程度になると期待しています。
アーバンリサーチは、2021年8月に再びNPSスコアを取得することを予定しており、それが同社における正規の“通信簿”になる。
出張(ZETA) サイト内の回遊率が上がり、直帰率が下がっているということは、検索結果がユーザーの「欲しい」気持ちにしっかりと応えることができた証ではないかと思います。検索は入口であり、そこで満足してもらえなければ、ユーザーはサイト自体から離脱してしまいます。その間口を広げることができた実績は大きいと考えています。
荏原(ZETA) 検索された内容をたどると、カテゴリやブランド一覧からの経由が多いことがわかります。これは、検索結果が「それぞれのカテゴリやブランドに対してユーザーが抱いているイメージ」と合致しており、ユーザーのニーズに的確に応えることができた結果だと思います。また、キーワード検索に関してもユーザーが求める商品に対して、より適切な結果を表示することができるようになっています。
市川(ZETA) 定量面では、検索後のコンバージョン率が3倍になったのは素晴らしい結果だと考えます。今後は定性面で、さらにユーザーの要望に応える検索にできるよう工夫していきたいですね。また、「ZETA VOICE」でもすでにユーザー同士のコミュニケーションが始まっていますが、さらに一歩進めて、たとえばレビュアーのフォロー機能などを搭載し、「このレビュアーから買う」というような事象を生み出せるとおもしろいと考えています。こちらは現在、新機能として開発しているところです。