こんにちは、アナグラムの森野です。 ネットショップのための運用型広告、その活用方法を紹介していく本講座。 第1回の「運用型広告を始める前に、何より先に考えるべき3つのこと」では、なにを、だれに、どのように売るのかについてお話しました。 連載第2回の今回は、「どのように」の部分を少し深掘りしていきましょう。
はじめに
運用型広告の現場にいると、いつの時代も必ずと言っていいほど聞かれるのが、「今どんな広告メニューで成約が取れているんですか?」という質問。誤解を恐れず言うと、そんな何にでも効く万能薬のようなメニューは、検索連動型広告とリマーケティング関連のプロダクト以外にはそうそうありません。
なぜなら、限られた予算で最大の売上をたたき出す方程式は、ネットショップの商材やポジショニング、時勢やその他もろもろの状況によってまったく異なってくるからです。
といっても、ゼロベースでどのように売っていけばいいのかを考え、適切な枠組みを作るのもなかなか難易度が高いですよね。
そこで本記事では、あなたのネットショップのタイプごとに、向いている売り方や進むべき方向性を示す「運用型広告5タイプ理論(※)」についてご紹介しようと思います。
※3年前に一度、こちらの記事でご紹介しておりますが、本記事では、2017年7月版として、各タイプと相性の良い直近の施策やポートフォリオと一緒にご紹介していきます。
運用型広告5タイプ理論とは?
図の縦軸が「指名買い」。そのブランドや商品名の知名度が高いか低いかを表しています。そして図の横軸は「衝動」。その商材が衝動買いしやすいかしにくいかを表しています。
いくつか、具体的な商材を当てはめてみましょう。こんな感じです。
まずはこの中から、あなたのネットショップがどこに位置するかのアタリをつけていただくと、この後の記事内容が腹落ちしやすいかと思います。
そんな急に指名や衝動の強弱なんて言われてもわからない! そんなときは、以下の手段で探ってみると良いでしょう。
指名買いの強弱・判別例:検索数
指名買いの強弱、知名度の高さを図るバロメーターのひとつに、検索数があります。Googleキーワードプランナーで月間検索ボリュームが数万を超えるブランドやサイト名・商品名は、指名買いが強いと言って良いでしょう。さまざまなメディアでの露出も非常に豊富で、10人に聞けば半数近くは知っているレベルです。一方、月間検索ボリュームが数千以下の場合、それほど指名買いが強くないと言えます。
衝動買いの強弱・判別例:コンテンツ向け広告を見て買うか
衝動買いについては、検索して買うというよりは、アメーバブログやYahoo!ニュースなどに出てくるコンテンツ向け広告で、どれだけ衝動的に買いやすいかという度合いです。若干極端な例ですが、家や車をネットサーフィン中にパッと見せられても、石油王やスーパーセレブでもない限り、衝動買いはしにくいですよね。一方、ゲームアプリの無料インストールやお悩み訴求の単品通販などは、ターゲットと訴求がハマっていれば衝動買いしやすいと言えます。
具体的な例を挙げて、見ていきましょう。
例1)高級有名腕時計の通販サイト【有名ブランドタイプ】
50万円以上するロレックスのエクスプローラーモデルをネットサーフィン中のユーザーに見せて、いきなり衝動買い勝負に持ち込むのはなかなか難易度が高いでしょう。一方、欲しいと思っているユーザーはエクスプローラーに興味津々で、検索からの検討→購入という道筋も比較的明確に見えてきます。この商品を扱うネットショップは、指名買いが強く、衝動買いが弱い、【有名ブランドタイプ】となります。
例2)新開発の青汁ドリンク【オリジナルタイプ】
例えばベンチャー通販企業が、これまでにないスペシャルな青汁ドリンクを開発。ただ、開発したばかりで全国的な知名度は皆無。商品を知ってもらえれば、絶対欲しいと衝動買いしてもらえる自信はある。こんな場合は、指名買いが弱く、衝動買いが強い、【オリジナルタイプ】となります。
いかがでしょう。なんとなく、自社のタイプがつかめてきたでしょうか。それではいよいよ、タイプごとの特徴・攻め方を見ていきましょう。