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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ソーシャルコマースは買い物をどう進化させるか

ホロライブプロダクション「タレントらしい商品を」 “推し”との距離を縮めるソーシャルコマースの仕組み

 VTuber事務所「ホロライブプロダクション」の勢いがとまらない。限定グッズを販売すればすぐに完売するなど、熱狂的なファンに支えられているという。そんな同社の強みが、SNS上のコミュニケーションをベースとしたソーシャルコマースだ。どのような情報発信や導線設計を行っているのだろうか。運営元であるカバー株式会社の執行役員(商品企画・コマース管掌) 前田大輔氏、コマース本部 デジタルサービス部 運営チーム サブマネジャー 一條穂高氏に裏側を聞いた。

実店舗に行列 BtoCだからこその熱さがある

 バーチャルなアバターを通じてライブ配信などを行うVTuber。昨今、小学生のなりたい職業に名前が挙がるほど存在感を増している。その人気を押し上げたともいえるのが、YouTubeのチャンネル登録者数100万人超のVTuberを多数抱える事務所「ホロライブプロダクション」だろう。2017年に1人目のタレントがデビューして以降、ファンを増やし続けている。

「漫画やアニメといったサブカルチャーとの相性が良い点が大きな特徴です。所属するタレントがYouTubeでゲームの実況配信などを行い、ファンも一緒になって楽しんでくれています。公式グッズも好評で、販売している実店舗には行列ができることも少なくありません。感情に響いたからこそグッズを買いに来てくれる。これこそ、BtoCの醍醐味だと感じています」(前田氏)

 活動範囲は日本にとどまらない。「ホロライブインドネシア」「ホロライブEnglish」に所属し海外で活動するタレントもおり、世界中に熱狂的なファンが存在する。2025年3月8日・9日に幕張メッセで行われたイベントには、海外ファンの姿が多く見られた。場所を問わず視聴できるYouTubeが主戦場だからこそだ。

「海外でもグッズの需要は高いです。以前から日本で購入されたグッズが現地で再販売されるケースはありました。しかし、非正規品なども流通しているため公式サイトから安心して購入したい海外ファンは多いはずです。そこで、現在はアジア、北米、オセアニア、中南米、ヨーロッパのファンに向けて、自社ECサイトで受注・発送できる仕組みを整えています」(前田氏)

カバー株式会社 執行役員(商品企画・コマース管掌) 前田大輔氏
カバー株式会社 執行役員(商品企画・コマース管掌) 前田大輔氏

 活動開始当初より、グッズの販売を望む声は多かったという。そのニーズを受け、同社は2020年にゲームやIP商品を取り扱うECモールで所属タレントのボイス販売をスタートした。その後、プリントオンデマンドが主体のECモールに場所を変え、キーホルダーやアクリルスタンドなどグッズの種類を拡充。さらに、自社で企画・製造するグッズに対するニーズの高まりを受けて、2021年9月に自社ECサイトでの直販を開始した。昨今はリアル販路も開拓している。

「モール型のECサイトの場合、他社商品も並びます。それよりも、当社所属タレントのグッズだけを取りそろえた売り場のほうが、ファンにも喜んでもらえると考えました。また、人気の拡大にともなって、ぬいぐるみやフィギュアなど求められるグッズのレベルも上がります。迅速かつ丁寧にファンへ届ける意味でも、自社ECサイトで販売する体制の整備が必要でした」(一條氏)

 こうした同社の事業について、一條氏は「圧倒的コト消費」と表現する。何が通常の消費行動と異なるのだろうか。

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流入元はYouTubeとX 鍵を握る情報発信の“選択と集中”とは?

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/16310 2025/04/07 07:00

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