著者の田中です。[水玉] さん、読んでいただきありがとうございます。まず確定申告と開業届の関係ですが、開業届を出すことにより確定申告の対象となり、税務署から確定申告の書類が届きます。「開業届＝確定申告」というイメージがわかりやすいかもしれません。ですので、事業開始当初や継続的に業務を行わない状態で、いずれも税金が発生しない場合であれば、利便性を考えると開業届を必ずしも出さなくてもよいという考え方があります。もちろん、本来であれば事業を営む場合には、開業届を出さなくてはなりません。しかし、年間所得が20万円超え税金が発生したときを目安に開業届を出し、遡って開業日と申告を行っても罰則はありません。つまり、先に開業届を出すのか、後で開業届を出すのかの違いということで、開業届を出さなくてよいということではありません。

ちなみに「年間売上が20万以下の場合は開業届けも出さなくて良いと聞きました」とありますが、“年間売上”が20万以下の場合ではなく、“年間所得”が20万円以下の場合には税金（所得税、住民税）がかからないということです。（年間所得が20万円を超えると税金がかかりますので確定申告の義務が生じることになり、確定申告には開業届が必要となります）年間所得とは、売上から経費と控除を引いた金額になります。

以上のような理由で、本の中では「副業として考えているなら、必ずしも届けは必要ありません」と表現しています。

また帳簿と開業日の問題ですが、開業日とは「店舗の開店日ではなく、その事業を始めた日」ということになりますので、仕入れを始めた段階で開業していることになると思います。ですから、仕入れの日付は店舗開店日よりも前で当然構いません。

開業届については、このフォーラムの
「仕事との両立」http://nsf.shoeisha.com/thread/80/
「個人事業の開廃業等届けを出すタイミング」http://nsf.shoeisha.com/thread/43/
「くろすけ」http://nsf.shoeisha.com/thread/34/
「法的手続きについて」http://nsf.shoeisha.com/thread/16/
「手作りのお菓子」http://nsf.shoeisha.com/thread/13/
にも詳しく記載してありますので参考にしてください。

なお「ずっと趣味で作ってきた石鹸を、今後ネットショップで販売しようと考えています」ということであれば、PL法と石鹸の販売について知っておくとよいと思います。

PL法については、このフォーラムの
「PL法」http://nsf.shoeisha.com/thread/41/

石鹸の販売については、このフォーラムの
「手作り石鹸について」http://nsf.shoeisha.com/thread/73/
「石鹸の販売について」http://nsf.shoeisha.com/thread/14/
を参考にしてください。

開業に向けては勉強することも多く大変ですが、がんばってください。参考になれば幸いです。

Name：田中 正志　　Date：2010年11月26日 04:30