Amazon Ads パートナー選びのポイント
Amazonでの売上拡大において、Amazon Adsの活用は特に重要な施策である。しかし、Amazon Ads運用の現場では以下のような「自社運用の壁」に直面するケースが増えている。
•リソース不足:他の業務に追われ、細かい調整や分析に時間を割けない。
•ノウハウの欠如:新しい広告フォーマットや新機能などのキャッチアップが追いつかない。
•成果の頭打ち:ROAS(広告費用対効果)が伸び悩み、改善の打ち手が見つからない。
こうした課題を解決するための選択肢の一つが「Amazon Ads パートナー」の活用だ。しかし、数あるパートナーの中から自社に合う1社を選ぶのは容易ではない。Amazon Adsによると、パートナー選びのポイントとして「Amazon Adsの認定パートナー制度をクリアしていること」「自社の業界に対する知見や経験値を持っていること」「広告主のビジネスに対する理解度が深いこと」の3つが判断基準になるという(詳細はAmazon Ads パートナーに関する基礎解説記事をチェック)。
このポイントを踏まえた上で以下の要件を整理することがパートナー探しには重要だ。
1.広告運用の目的
「ROAS向上」や「新規顧客開拓」、「ブランド認知獲得」「指名検索増加」など、目的によって、Amazon Adsの多様な広告ソリューションを活用したフルファネル戦略に強いパートナーを選ぶべきか、広告運用の自動化に強いツールを持つ企業をパートナーに選ぶべきかが変わる。
2.依頼したい領域(代理店orテックパートナーの分かれ目)
Amazon Ads パートナーには、代理店とテックパートナーの区分が存在する。それぞれ強みが異なり、依頼したい領域でどちらが最適かが変わってくるので、事前に定義しておきたい。
代理店:戦略立案からクリエイティブ制作、運用代行まで一気通貫でサポートしてほしい場合におすすめだ。
テックパートナー:自社運用体制を残しつつ、Amazon Ads パートナーが提供するツールで作業工数を削減し、精度を上げたい場合におすすめだ。
本記事では、これらの視点を踏まえ、特に中小企業のサポート実績が豊富な11社のAmazon Ads パートナーを詳細に比較・解説していく。
比較表をチェックする前に、以下の記事をチェックするのもおすすめしたい。
【Amazon Ads パートナーの基礎知識を解説】
Amazon Adsパートナーを選ぶ前に、パートナーに依頼するメリットやパートナー選びのポイントなど、基礎知識を知りたい方は記事「EC売上最大化を支援するパートナー、どう探す?Amazon Adsに聞く、最適なパートナーの選び方」をチェック。
【自社に最適なAmazon Ads パートナーを簡単診断】
記事『成果を最大化する「パートナー」はどう選ぶ? 5つの質問でわかるAmazon Ads パートナー診断』では、ECzine独自の5つの質問に答えるだけで、自社に合ったAmazon Adsのパートナーが簡単に診断できる。1社に絞る前にぜひ試してほしい。
主要11社の比較表
今回紹介する11社の特徴を一覧で整理した。まずは自社が「代理店に任せたい」のか「ツールで効率化したい」のか、大まかな方向性を確認してほしい。
| 企業名(アルファベット→五十音順) | サービス名 | タイプ※ | 得意領域・特徴 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| Flywheel Japan | Perpetua | D |
・シンプルな操作感 ・直感的な使い心地 ・始めやすい料金体型 |
・インハウスで広告を運用したい、少額から手軽にツール導入したい企業 |
| GROOVE | A | ・メーカー視点のD2C支援 ・利益改善・PL管理 |
・商品開発から支援してほしいメーカー、利益重視の企業 | |
| Jellyfish Japan | Ignite | A | ・英国発ツールとグローバルの知見活かした支援 | ・大手ブランド企業、ASIN(Amazon標準商品番号)の多い中小企業 |
| MBKデジタル | Quartile | B |
・米国発AI自動最適化 ・AMCを活用した運用 ・専任担当者の運用支援 |
・Amazon広告の運用を任せたい企業 ・ツールの提供だけでなく、グローバルの知見を活用した専任担当のサポートが欲しい企業 |
| m19 | D |
・ASIN単位のAI最適化 ・DSP/AMCも簡単設定 |
・商品数が多く広告運用を効率化したい企業 ・シンプルな設定で成果を出したい企業 |
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| Pacvue | B |
・AMC、カスタムレポートによる意思決定の支援 ・AIフルオート運用と、人間の知見を活かしたルール設定(半自動化)を併存 ・ベンダー/セラーセントラルの運用最適化も支援 |
・AIの自動最適化と、戦略に基づいた細やかな設定の両立を求める企業 ・広告運用のみならず、コマース全体を強化したい企業 |
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| Shirofune | D | ・国産ツールNo.1シェア ・プロの技をアルゴリズム化 |
・複数媒体(Google等)も一元管理したい、 低予算から始めたい企業 |
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| SparkX Marketing | Xnurta | B | ・AMC Hub活用 ・AI入札・フルファネル |
・データ分析(AMC)に基づいた高度なフルファネル施策を行いたい企業 |
| いつも | A | ・総合EC支援・物流連携 ・AMC分析・クロスセル戦略 |
・楽天、TikTok Shopなど他モールも含めた 総合支援を求める大手~中堅企業 |
|
| ウブン | A |
・販促費を含む総合プランニングと実行 ・プランニングや実行を支える独自ツール「Ubun BASE」 |
・中長期的な市場拡大と精度の高い分析を重視する企業 | |
| ディスカヴァー・トゥエンティワン | C | ・出版社由来のコンテンツ力 ・フルファネル戦略 |
・書籍やコンテンツ商材などを提供し、丁寧な伴走支援を求める企業 |
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