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SNS運用も広告もやらないのに、話題化し売れる理由とは?ラッシュジャパンが広告なしで描くEC戦略

 2021年にSNSから「サインアウト」し、マス広告も一切打たない独自のブランド姿勢を貫くラッシュジャパン。同社がいかにしてデジタル上での顧客接点を構築し、熱狂的なファンを育成しているのか。アプリ売上比率約45%、ニュースレター開封率35%超という驚異的な数字の裏側にある、実店舗を起点としたOMO施策や、倫理観(エシックス)を軸に据えたこれからのEC・データ活用の展望について、現場のキーパーソンに詳しく聞いた。

「直感的な買い物」を追求するラッシュジャパンECの独自性

━━最初にラッシュジャパンのECに携わるお二人の自己紹介と業務内容からお聞かせください。

真嶋 デジタルチーム内のコマースチームに所属しており、公式サイトのストアマネージャーを務めています。主な業務はUIの改善ですが、私たちのEC基盤はイギリス本社(UK)と共通のグローバルシステムを利用しているため、日本独自のニーズを汲み取った改善提案をUK側に行うことも重要な役割です。

 たとえば、日本では一般的な「配送日時指定」機能がグローバル統合によって一時失われた際も、代替のリクエスト対応やFAQの拡充など、お客様の不便を解消する仕組みを整えてきました。

ラッシュジャパン合同会社 真嶋 望氏

山下 私はデジタルマーケティングとコマースの両面を担当しています。元々はマーケターとしてのバックグラウンドがありますが、現在はマーケットプレイス(ECモール)のリーダーたちを統括しつつ、自社サイトの顧客体験向上や新規顧客の獲得に注力しています。

━━ラッシュジャパンのECサイトには、どのような特徴があるのでしょうか。

真嶋 グローバル共通のラインナップを扱っているため、全商品が揃っていることが最大の特徴です。実店舗の場合、新宿店や渋谷店のような大規模店舗を除き、各地域のお客様のニーズに合わせて商品を厳選して並べています。対してオンラインショップは、ラッシュの数千に及ぶ全商品を一堂に見ることができる唯一の場所になっています。

山下 サイト設計においても、あえて「既成概念にとらわれない」体験を目指しています。一般的なECサイトにあるような複雑なナビゲーションやパンくずリストをそぎ落とし、直感的に商品を探せるデザインを採用しています。

 ワクワクするような店舗体験をデジタルでどう表現するか、その最適解を模索している成長フェーズにあります。

ラッシュジャパン合同会社 山下 夏子氏

真嶋 一方で、利便性の向上にも注力しており、現在ではEC売上の約45%がアプリ経由になっています。アプリ限定のセールや先行発売、クーポンの配布などを通じて、より多くのお客様にアプリでの体験を選んでいただけるよう誘導しています。

「店舗は最大のメディア」広告に頼らずアプリに誘導できるわけ

━━自社ECとECモール、そして実店舗。それぞれの役割はどう定義されていますか。

真嶋 新規のお客様との最初の接点は、ECモールや実店舗になることが多いですね。モール経由でラッシュを体験し、いいなと思ってくださったお客様が、最終的に私たちのブランド体験が最も濃い自社ECサイト・アプリへ来てくださる。そんなカスタマージャーニーを描いています。

山下 ラッシュはグローバル全体で、テレビCMなどの「マス広告」を打たないという強いポリシーを持っています。その代わりに私たちが「最大のメディア」と考えているのが実店舗です。あの独特な香りやスタッフとの対話を通じてブランドを好きになっていただく。外部のECモールも、まだラッシュを知らない方々と出会うためのメディアの一つと捉えています。

━━実店舗とECを連携させるOMOの取り組みについて教えてください。

真嶋 核となるのはやはりアプリです。2024年には「ラッシュクラブ」という新しい会員プログラムを開始し、2025年11月にはリワードプログラムも始めました。ポイントを貯めることで、アイテム交換やLUSH SPA(ラッシュスパ)の体験などに使うことができます。

山下 ラッシュの店舗が提供している価値は、単なる「物の売買」ではなく「体験」です。今後はアプリを通じて店舗の体験を予約できたり、お店のスタッフと直接コミュニケーションが取れたりといった、体験を軸にした連携をさらに深めていく予定です。デジタルで買い物をしていても店舗に行きたくなる、そんなコンテンツやサービスを目指しています。

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SNS撤退でも、UGC経由の「バズ」でヒットを量産

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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