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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

ファッションプラットフォーマーへの変革なるか and STから探る“競争”を超えた“共創”の可能性

 2025年10月15日に「『and ST』VISION CONFERENCE 2025」を開催した株式会社アンドエスティ。この発表会では、同社が「5回目の変革期」として掲げる中で成長ドライバーとするプラットフォーム「and ST」の方針や新たな取り組みについて、経営陣の口から語られた。本稿では、このタイミングで新たにand STに出店を決めた株式会社ニューバランスジャパン、株式会社ユナイテッドアローズ、株式会社ジュン、株式会社ICLの4社とアンドエスティの2名によるトークセッションの模様をお届けする。

変革期だからこそ競合とも手を組む and STが挑む“前例のない取り組み”とは

 自社ECからモール型のプラットフォームへと進化を遂げるウェブストア「and ST」。着々と出店する他社ブランド数を増やし、その数は2025年9月末時点で37にのぼっている。

 今回行われた発表会「『and ST』VISION CONFERENCE 2025」では、9月から10月にかけて新たに出店を開始した4社が一同に介した。各社がand STに出店を決めたブランドは、次の通りだ。

  • ニューバランスジャパン:New Balance
  • ユナイテッドアローズ:BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS
  • ジュン:ADAM ET ROPÉ、SALON adam et ropé、ROPE' PICNIC、VIS、E'POR
  • ICL:Afternoon Tea LIVING

 この一覧からもわかるように、今回の出店ブランドはアンドエスティHDグループにとって「競合」といえる企業・ブランドが多く存在する。一歩間違えると、自社の利益創出に反する行為にも見えかねないが、株式会社アンドエスティHD 代表取締役社長/株式会社アンドエスティ 代表取締役社長 CEO 木村治氏はand STの次なるステージとして「ファッション業界をコネクトする 競争を超えて、共創する未来へ」といったスローガンを掲げ、こう語った。

競合同士、狭い世界で競い合うのではなく、協力し合いながら切磋琢磨しようと考え、私たちはオープンプラットフォーム化を進めています。ある意味前代未聞のことといえますが、各社様から全面的な理解と協力をいただけたことに本当に感謝している次第です」(アンドエスティ・木村氏)

株式会社アンドエスティHD 代表取締役社長/株式会社アンドエスティ 代表取締役社長 CEO 木村治氏
株式会社アンドエスティHD 代表取締役社長/株式会社アンドエスティ 代表取締役社長 CEO 木村治氏

 ファッション業界における「共創」といえば、商品コラボレーションが代表格だろう。しかし、アンドエスティの取り組みは、既存の店舗形態にたとえるとショップインショップのようなもので、二次元の画面上で展開するECサイト上において「ターゲット層の被りが起きかねないブランド同士をどう共存させるか」は、一見すると課題が多いようにも見える。実際に、ユナイテッドアローズもand STへの出店にあたっては一定の議論が行われたそうだ。同社でOMO本部 本部長を務める岩井一紘氏は、当時をこう振り返った。

「社内でも、最初は様々な意見や議論が交わされました。しかし、お客様にとっての価値を考えた際に『買いたい場所で買える』状況は大優先すべきですし、こうした新たなチャネルへの進出は、ユナイテッドアローズが2023年から2025年の中期経営計画のスローガンとして掲げる『感動提供~お客様と深く広く繋がる~』にも直結する行動だと結論づけました。

 普段は競合企業ですが、1社ではできない売り場環境の構築や新たな価値創出は、競合と取り組むからこそ大きな可能性に満ちあふれていると思います。こうしたチャレンジをしていきたいという想いもありましたし、一緒に取り組む相手がアンドエスティ様なことを大変光栄に感じています」(ユナイテッドアローズ・岩井氏)

株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長 岩井一紘氏
株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長 岩井一紘氏

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出店企業4社が期待する「知ってもらう工夫の多角化」 そこから生まれる効果は?

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/17574 2025/12/17 07:00

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