機会損失を最小限に食い止めるためには、圧倒的な速さが必要
商品検索やサイト内検索に対して策を講じようと思っても、何からやるべきかわからない、適切な検索結果を出すために取り組むべき物事の優先順位がつけられないという人もいるだろう。優先すべきロジックや適切な並び順は扱う商材によって異なるが、商材を問わず圧倒的に必要とされる技術があると山崎さんは言う。それは、「処理速度」だ。
「どんなに適切なロジックを組んだとしても、検索に10分かかるようではできていないのと同じです。検索に必要なテクノロジーは、どのようなロジックも実現できる速さなのです。ZETA SEARCHでは、2,000qps(queries per second:1秒間に処理できる問い合わせの数)の速さで検索結果を処理することが可能です。他社は200~400qpsほどであることが多いので、ZETA SEARCHだからこそ実現できるロジックも存在しています」
検索結果の処理スピードだけでなく、データを取り込む速さも重要なポイントだ。あるサイトでは、ZETA SEARCHを利用する以前はサイト内のデータを更新するのに1時間半を要しており、その間サイトを停止する必要があったが、切り替え後は数分で更新を完了することができるようになったと言う。サイトを停止させるのは、その間にアクセスしようとした顧客の購買チャンスを逃すことでもある。機会損失を最小限に食い止めるには、こういった部分にも目を向ける必要があると言えるだろう。
また、消費者が求める検索結果を適切に提供するためにも処理速度の速さは欠かせない。ECサイトである商品を検索した際、「キーワードのマッチング度合い」と「売れ筋ランキング」が適切に掛け合わされ、検索結果一覧に表示されることが最適と考えられている。しかし、このふたつの要素は数学的には軸の異なるスコアであり、どうミックスし違和感のない見せかたをするかは終わりの見えない取り組みとも言える。場合によっては、カテゴリや製品ごとに適したロジックを組む必要があるが、これら膨大なパターンを記録させ、実行するにも速さは重要だ。
とくにアパレルでは、各商品に色とサイズのバリエーションがあり、検索軸が他の業態よりも多くなることに加え、セールによる瞬間アクセスも受け止められるキャパシティの広さが求められる。「良い検索エンジンを入れたい」と考え、ZETA SEARCHを導入する事業者も多く、直近では集英社のFLAG SHOPやジュングループのオンラインショッピングサイトなどにも導入されていると言う。