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2024年8月27日(火)10:00~19:15

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日本はリテールメディア後進国?北米事情から攻略すべきオンライン市場の可能性を探る

 リテールメディアというワードを、よく耳にするようになってきた。日本では、実店舗のサイネージに広告を表示するなど「商品棚の拡張」といった文脈での活用が多く見られる。しかし、実際の主戦場は、オンラインであるといえるだろう。2023年4月、Ascential Digital CommerceのCCEO(Chief Customer Experience Officer)であり、広告自動最適化ツール「Perpetua(パーペチュア)」を提供するPerpetuaのCEO Abi Harmon氏が来日。Perpetua 日本代表 的場啓年氏とともに、北米におけるリテールメディア事情を解説した。

デジタルサイネージはリテールメディアのごく一部

 Googleは2024年後半を目安に、サードパーティCookieを廃止するとしている。それにともない、自社で取得するファーストパーティデータへの移行が急がれている。そこで注目を集めているのが、リテールメディアだ。

 リテールメディアは、ファーストパーティデータを活用し、リテールの店舗などを「媒体」として広告出稿する仕組みのこと。日本では、実店舗に来店した顧客の需要に合わせて、店内のデジタルサイネージにコンテンツを表示するといった活用をイメージする人も多いだろう。まだ一部だが、スーパーマーケットやドラッグストアなど、導入する企業が現れ始めている。

 一方、北米では日本よりもリテールメディアの活用が盛ん、かつ日本とは違う形で浸透している状況だ。Abi氏は、「リテールメディア=デジタルサイネージではない」と言い切る。

 デジタルサイネージもリテールメディアに含まれるものの、北米では当初よりオンライン上のマーケットプレイスを中心に活用が広がっているのだという。その代表的なフィールドがAmazonだ。

Ascential Digital Commerce CCEO、Perpetua CEO Abi Harmon氏
Ascential Digital Commerce CCEO、Perpetua CEO Abi Harmon氏

 現在、AmazonはEC市場において高いシェアを占めている。実店舗を持つよりも低コストで商品を販売し、さらには非常に多くの消費者へリーチできることが理由の一つだろう。Abi氏は、「Amazonがメーカーやブランドに対して無限の商品棚を作り出した」と話す。

 しかし、Amazonのように多くのブランドが存在し、膨大なデータを抱えるマーケットプレイスでは、消費者の解像度が粗くなる傾向もある。「いつ、どこで、どの商品が求められているか」の把握が容易ではないのだ。そのためAmazonは、市場の可視化に向けた仕組みを整えてきた。

「広告が消費者へどうリーチしているか可視化するために、Amazonが始めたのが『検索広告』です。Amazon内で商品について調べると、上位にAmazonに出品されている関連商品が表出することがありますよね。この検索機能により、ブランドは自社商品のカテゴリーに興味がある消費者へリーチできるようになりました」(Abi氏)

 本機能がさらに発展し、スポンサープロダクト広告に移行。現在のリテールメディアに進化していった。Abi氏は、リテールメディアへの移行は「北米のブランドにとって必然だった」と話す。

「多くのブランドはGoogleなどの検索広告に対し、『本当に消費者にとって良いエクスペリエンス・広告なのか』と不信感を持っていました。リテールメディアの場合、既にAmazonを訪れている消費者に直接、求めている商品と関連性の高い広告を表示します。そして、Amazonとブランドは広告に対する消費者の反応をデータで確認できます。つまり、投下した広告費がどうコンバージョンにつながったのか、正しいコミュニケーションだったのかなど、効果が見えやすいのです」(Abi氏)

 マーケットプレイス上での購入データから顧客の興味関心を分析し、その結果に合わせた広告を適切なタイミングで配信する。これによりメリットを享受できるのは、ブランドだけではない。商品を探している消費者にとっても、パーソナライズされた情報であれば、購買体験を「邪魔するもの」ではなく、むしろ「手助け」となることもある。

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日本は北米より1~2年遅れている

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Perpetua Japan

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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