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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2020 Autumn レポート(AD)

アパレルのCVR向上・返品率低減に貢献 情報感度の高い顧客を動かすOMOを考える

CVR2倍、返品率減少にも レビュー×OMOで効果を最大化

 セッションの後半は、ZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」をはじめとする製品の事例が紹介された。レディースアパレルブランドを多数展開するサンエー・ビーディーでは、パソコンとスマートフォンのサイトに同エンジンを導入した結果、レビューが多いアイテムのスマートフォンサイトにおけるCVRが180~250%にまで向上した。さらには、返品率減少という効果にも期待が寄せられている。レビュアーの身長や着用サイズを表示することで、レビューの精度が上がったこともこれらの効果につながったと山﨑氏は分析した。

「レビューとOMOは、非常に相性が良いと言えます。買い物に慎重で情報収集を欠かさない若年層のカスタマーが店頭でスマートフォンを使って見たい情報は口コミです。たとえば『この商品のレビューはこちら』と書かれたタグが店頭の商品についていれば、シームレスに自社のECサイトへ誘導することができます。レビューの注目度は年々上昇していますが、OMOソリューションとレビューエンジンは組み合わせてこそ効果が高まる施策なので、ぜひセットで活用していただきたいです」(山﨑氏)

 ZETAのOMOソリューションである「ZETA CLICK」は、実店舗におけるECサイトやレビューの活用を促す製品だ。実店舗やカタログに掲示された二次元コードから最適な情報をダイレクトに表示させることができる。通常、二次元コードは製品ページやECサイトのトップページなど、あらかじめ設定されたURLが埋め込まれているものだが、ZETA CLICKの場合は表示させるページを後から自由に設定できる点に最大の特徴がある。「在庫があればAの商品を表示させるが、なければ異なる商品を表示させる」「口コミが多く投稿されている商品は、レビューページを表示させる」などのルールに則ったページ表示のほか、過去の購買履歴に基づいてパーソナライズされたレコメンド製品群を表示させることも可能だ。

 同ソリューションでは、実店舗で接客した商品のバーコードをスタッフがその場でスキャンし、パーソナライズされた特別ページを作成して二次元コードで顧客に共有することができる。二次元コードを読み取った顧客は、商品のレビューページやスタッフコーディネートをじっくり参照しながら気に入った商品をECサイトで購買することができ、顧客体験の向上に貢献するソリューションだ。

「ZETA CLICKの利用イメージを通して、顧客体験が実店舗退店後も自宅やカフェなどの外部でシームレスに続いていることを理解していただきたいです。店頭でスタッフから接客を受けることで商品に対する理解や共感度は上がりますが、それだけではなかなか購買に踏み切れないという顧客もいます。これまでは再来店や追加の情報収集を顧客の自発性に委ねるしかありませんでしたが、ZETA CLICKの仕組みを使えばカスタマーごとにパーソナライズされた精度の高い情報で購入を後押しすることができます」(山﨑氏)

 前出したソリューションを含む「ZETA CXシリーズ」は、主力製品のEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を中心に、多くの企業で導入されている。2019年の調査によると、ZETA SEARCHが導入されたECサイトにおける検索総クエリ数は、確認できているだけで年間838億にも上り、膨大なデータを処理していることがわかる。(ZETA SEARCHの「こだわり検索機能」についての記事はこちら

 膨大なのは、データのボリュームだけではない。ZETA CXシリーズが導入されたサイトの総流通額は約2兆円に上り、日本のECサイト総流通額の10%以上を支えている計算だ。2017年に発表されたEC売上高ランキング上位100社のうち、ZETAの製品を導入する企業は25社となっている。高機能、高価格な製品群ゆえに大手企業への導入が目立つが、中でもデジタル投資に積極的なアパレル業界で高い導入率を誇るのが同シリーズの特徴だ。CVRや売上高の向上など確かな結果にもつながっており、シリーズの導入継続率が98%と高いことも実力の証と言える。

 New normalの時代を迎え、EC経由の売上増がますます予想される今後、実店舗とECを対立構造でとらえるのではなく、ECの売上を実店舗でも発生させることが非常に重要だと山﨑氏は強調する。

「顧客は店頭で商品に触れ、スタッフとコミュニケーションを取り、顧客体験を重ねて満足すれば購買に至ります。これまでは実店舗の棚から商品を取ってレジに向かい、支払を済ませるパターンのみでしたが、今はスマートフォンを使って購入した商品を自宅に配送するという選択肢も加わりました。店頭で手に取った商品を他社サイトで購入するのはショールーミングの悪い例ですが、これからは良い意味でのショールーミングを展開していく必要があります。実店舗とECサイトをシームレスにし、体験の場としての店舗から購入の場としてのECサイトにうまく誘導を行わなければ、企業はカスタマーに見放されてしまうため注意が必要です」(山﨑氏)

 山﨑氏は最後に、「レビューやOMOの取り組みを支援する製品を通し、顧客が幸せに買い物をできる世界を構築したい」と語り、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、現在はコーヒーショップで働く傍らライターとしても活動する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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