コネクテッドコマースでショッピング体験を豊かに
井野川氏が「今後伸びていくチャネル」として予測するのは、音声によるショッピングだ。Amazon PayとAlexaスキルを組み合わせることにより、ECサイトの起動、レコメンド機能の利用、商品の予約や注文、さらには納税や寄付まで音声を通じて行うことができる。
日本赤十字社での募金をはじめ、出前館での出前注文、JTBでのチケット予約、メガネスーパーでのコンタクトレンズのリピート購入などが、Amazon Payを利用したAlexaスキルに対応している(2019年4月時点)。
これまでは、Alexaが提案してくれた内容をその都度メモにとり、新たにウェブを開いて検索や注文を行う必要があったが、AlexaスキルにAmazon Payをつなぎこむことによって、検索から決済までをワンストップで完了することが可能になる。利用されるたびに学習するAIによって、利用者の生活スタイルや趣味嗜好に応じた高精度のパーソナライズも実現する。
また、事業者側がロイヤルティプログラムと連携すれば、Alexaが利用可能なクーポンのレコメンドを行ってくれるようなスキルの開発も可能。リマインドや新商品のお知らせなどを能動的に行ってくれるボイス通知機能を持ったスキルを開発すれば、EC事業者の売上に貢献してくれるだろう。
「10年前はスマホで商品を買うなんて想像ができませんでしたが、今はそれが当たり前に行われる時代になりました。同じように5年後10年後、音声で話しかけながら買い物をする方がすごく増えているのではないでしょうか」(井野川氏)
Amazonには、ECや実店舗、音声など、複数のチャネルを通じた利用者との接点が存在している。井野川氏はこの状態を「コネクテッドコマース」という言葉で表現。以下のように話し、講演を締めくくった。
「お客様はPCから買い物をすることもあれば、スマホを使うこともある。もちろん実店舗を利用されることも多いでしょう。これからは、音声による買い物も増えていくと思います。そんな変化の中、さまざまなチャネルやデバイスの垣根なく我々のサービスを利用していただくことで、より適切なレコメンデーションや提案を行うことが可能になり、お客様のショッピング体験や生活を豊かにしていけたらと思います」