期待が高まる「Web接客」と活用の可能性
「CVR30%増を叩き出す秘訣」をテーマに登壇した木下俊之氏は、2014年4月の創業当時からSprocketにジョインし、営業部門の立ち上げから携わる人物だ。Web接客プラットフォームを提供するSprocketは、2016年にWeb接客のためのツール開発や提供を開始してからおよそ2年の間に、5,000本を超えるWeb接客シナリオ改善事例を持ち、その知見やノウハウを蓄積させてきた。
そもそも「Web接客」とは何か。Sprocketでは、「実店舗と同様の概念でウェブ上で接客をすること」であり、来訪された顧客1人ひとりに合わせた接客コミュニケーションを行うことで、回遊促進・CV促進を行うものである、と定義している。近年では、追客までをその範囲に含めることもある。
そんなWeb接客であるが、その期待値は急速に上がっている。市場規模は3年前の7倍、2018年度には50億円規模となっており、アクセス解析・EFO、広告効果測定などのツールよりも大きい。「2017年頃から話題になり始め、まだ新しい領域であるWeb接客」がここまで広まってきた背景には何があるのだろうか。木下氏はこのように分析する。
「スマホはPCに比べて画面が小さく、一度に掲示できる情報がPCより少ないため、サイトの階層はどんどん深くなっていること。またSNSやアプリからの通知など、あらゆる情報がスマホに届き、情報過多になっていることなどの理由から、企業側が届けたい情報をユーザーが見つけにくくなっています。それもひとつの要因ではないでしょうか」
それでは実際にどのようなWeb接客があるのか。木下氏は、ユーザーごとに最適と思われる情報を表示する「ポップアップ型」とユーザーの質問にすばやく対応する「チャット型」のふたつを紹介する。
「このふたつとも、技術が進化するにつれ、オペレーションの効率化や自動化などが求められるようになってきました」(木下氏)
Web接客の用途として「コンバージョンアップ」はもちろんのこと、キャンペーンや特集ページへの「告知」効果の向上、顧客の「サポート」、そして欲しい情報にいち早くアクセスするための「UI支援」を木下氏は挙げた。お得な情報をサイト内から探したり、カウントダウン式にタイマーを表示する、同時に閲覧している人数を表示するなどの使いかたも増えてきたという。
これについて「Web接客ツールは、ただポップを表示するだけではありません。アイディア次第で本当にどんなことでもできるんです」と、木下氏はテクノロジーによるWeb接客の可能性を強調した。