最適な検索結果を提示するための工夫
では、根本的な速さを確保したうえで、最適な検索結果をユーザーに提示するためにどのような工夫が必要なのか。山崎氏は、基本的なチューニングの例として「水」の検索を挙げた。
ユーザーが「水」というキーワード検索で求めているのは、飲料水(ミネラルウォーター)であるはずだ。しかし、商品名に「水」という言葉が含まれる飲料水は少ない。単純に入力データに忠実に符合するデータを検索したのでは飲料水がヒットせず、商品名に「水」が含まれる撥水マットや化粧水が上位に表示されてしまう。「デジカメ」も同様で、カメラ本体の商品名に含まれているケースがほとんどなく、デジカメ用ポーチなどのアクセサリーが上位表示されることになる。
これを改善するには、たとえば水なら「飲料水」や「ミネラルウォーター」に辞書変換し、商品名ではなくカテゴリ検索に置き換えるようにチューニングすればよい。
また、「ドライバー」のように同じ名称で異なる商品(ゴルフ用具と工具)がある場合には、間違った検索結果の表示を防ぐ工夫として、「ドライバー(ゴルフ)」「ドライバー(DIY・工具)」のようにサジェストでカテゴリ名も表示する方法がある。
ほかにも、絞り込み(ドリルダウン)操作の前に絞込み後の件数を「○○○○(12)」「△△△△(3)」のように表示するファセットカウントの機能などは、無駄なドリルダウンを減らすのに効果的だ。
「コンバージョンを向上するには、ユーザーに無駄なアクションをさせないための工夫が必要です。意外と見過ごされがちですが、検索にはそのようなアイデアを織り込む余地が山ほどあります」(山崎氏)