「かご落ち」の原因からセキュリティを考える
ショッピングやオンラインバンキングなど、インターネット上の非対面取引における利用者の不正リスク判定をリアルタイムに行うクラウドソリューションを提供するスレットメトリックス。導入企業数は6,000社以上、その40%程度がEC関連企業となっている。
スレットメトリックスの高精度な不正検知を支えているのが、膨大なデバイスおよび利用者情報だ。同社では、独自の「デジタル・アイデンティティ・ネットワーク」により、全世界で50億のデバイス(うちスマートフォン端末は25億)、15億のインターネットユーザー、7億のIPアドレス、8億のメールアドレスを認識。年間300億ものトランザクションを分析しているという。
同社セールス・ダイレクター平井健二氏は、「かご落ちのない安全なECサイト構築の手法」をテーマに講演。不正検知などのセキュリティ対策はもちろん重要だが、その強化が「かご落ち」の増加や顧客離脱を招くことも多い。EC事業者にとって悩ましい問題だ。
平井氏はまず、「かご落ち」の理由についての調査データ(※ジャストシステム「Marketing Research Camp」の「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2018年1月度)」より)を紹介した。
上位の理由には「送料や手数料が高かった」「配送日が遅かった」などが並ぶが、セキュリティ対策に関連する理由として平井氏が着目したのが「途中でエラーが発生した」というもの。
「購買プロセスのサイトページエラーが多いと思いますが、ほかにログインIDやパスワード忘れによる認証エラーが原因となったケースも考えられます」
また、「あてはまるものがない」という回答も多かったが、その中には「携帯電話やメールと連携した承認プロセスが複雑で、サイトの利便性に不満を感じているケース」が少なからず含まれていることが考えられるという。