効果的なハッシュタグの抽出にもAIが活躍
EC運営において、検索に加えて重要なのがハッシュタグの活用だ。商品情報から特徴的なキーワードを選択し、ハッシュタグとしてECサイト上に表示することで、顧客に新しい気付きを与えられるほか、SEO効果回遊率向上といった効果が見込める。
北岡氏は、「AIによって、検索の最適化だけでなくハッシュタグの付与も可能」と述べ、話を続けた。
「当社は、AIを活用した3ステップで、効果的なハッシュタグの作成も実現しています。まず、商品タイトルや説明文など商品自体の情報からキーワードを抽出します。商品レビューから抽出すると、顧客視点のハッシュタグも付与できます。次に、AIで顧客の行動ログを分析し、クリックされやすいハッシュタグを選定します。最後に、効果が薄いハッシュタグのブラックリストや、反対に効果的なハッシュタグのホワイトリストを作成、表示/非表示を切り替えながら、さらに精度を高めていくのです」
ECサイトのトップページにハッシュタグを表示すれば、顧客がわざわざ検索せずとも目的の商品のページへ遷移できる仕組みが作れる。また、商品詳細ページに「華やか」「お出かけ」など抽象的なキーワードのハッシュタグを並べて、横断的な商品検索を促す、検索後にハッシュタグで商品を絞り込めるようにする施策も可能だ。商品情報には含まれない利用目的や利用シーンを切り口に、顧客と商品との新たな出会いを促進できる。
CVRが85%向上、検索経由の売上が2倍となった事例も
ECサイト内検索の改善により、売上を上げた事例は少なくない。アパレルブランド「NANO universe」は、オンラインストアにgoo Search Solutionを導入。表記ゆれ辞書の効果により、検索ヒット数0件となる状況を削減した。スマートフォンの小さい画面でも商品を絞り込みやすくする新機能「タッチサジェスト」も活用し、大きな成果を挙げている。
「NANO universeではgoo Search Solutionを導入後、CVRが85%向上する結果が得られました。検索経由の売上も、導入前と比較して2倍以上伸びています」
また、「トイザらス」のオンラインストアでは、goo Search SolutionによってCVRが400%向上。運用工数も大幅に削減されるなど、同サービスを通じて関連性の高い商品を検索結果の上位に表示できる仕組みを実現している。
北岡氏は、これらの事例に加えて、自社のECサイトで実施したABテストの結果も紹介。AIと検索の掛け合わせによる効果を強調した。
「従来のECサイト内検索とgoo Search Solutionを導入したECサイト内検索のパフォーマンスを比較したところ、後者は1ヵ月で購入数が15%高くなりました。運用開始時点ではあまり差異がなかったものの、AIが学習するにつれて徐々に売上の差が開いていったのです」
ここまで、ECサイト上の接客として、検索の重要性を具体的な事例とともに説明してきた北岡氏。最後に「検索精度 簡易チェック表」を提示し、自社のECサイト内検索の見直しを呼びかけた。
「誤字や変換ミス、略語であっても検索結果が表示できるか。検索した商品カテゴリーと関係のない商品を提案していないか。検索結果をスムーズに表示できるか。ツールを導入したあとに放置せず、運用できているか。自社のECサイトで、これらの点がどこまでクリアしているかを、この機会にぜひ見直してほしいです」
顧客と商品をつなげて売上を上げる「goo Search Solution」活用術
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