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20周年のZOZOTOWNに聞く、アクティブ会員1,140万を築いたユーザーファーストの顧客体験

 ファッションECのパイオニアであるZOZOTOWNは、2024年12月に20周年を迎えた。本記事では、サービス立ち上げ期から在籍するZOZOの青木俊祐氏に、常に新たな顧客体験を創造してきた同社の20年間を振り返ってもらいました。常にユーザーファーストを貫きながらも、時代に合わせて顧客体験を変化させてきた裏側を深掘りします。

1,000万超のアクティブ会員までの道のり

――ZOZOTOWNの20周年という節目に、ビジネスの振り返りや、独自の顧客体験、ECでの工夫について伺います。まず、青木さんが現在どういった業務を担当しているのか教えてください。

青木 私は現在、カテゴリ推進部という部署で、コスメ専門モールの「ZOZOCOSME」とラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを取り扱う「ZOZOVILLA」の企画・運営を担当しています。

――青木さんは、ZOZOTOWNの立ち上げ期に入社したんですよね。

青木 私がアルバイトの面接を受けに来た日が、偶然にもZOZOTOWNを立ち上げるタイミングでした。2004年12月のことで、当時はインターネット上のセレクトショップを複数運営していましたが、それらを統合してZOZOTOWNが生まれました。

株式会社ZOZO EC推進本部 カテゴリ推進部 ディレクター 青木 俊祐氏
株式会社ZOZO EC推進本部 カテゴリ推進部 ディレクター 青木 俊祐氏

――歴史的なタイミングに入社されたのですね。サービスを開始してから20年、ZOZOTOWNのユーザー数や取扱いブランド数が現状どうなっているか教えてください。

青木 現在取り扱っているブランド数は9,049ブランドです。年間で購入実績のあるアクティブ会員数は、約1,140万人となっています。

――これまでの20年間で、ユーザーや取扱いブランド数が大きく増加したターニングポイントはいつ頃だとお考えですか。

青木 ZOZOTOWNがスタートした2004年当時は、インターネットで洋服を買うことが世の中に全く浸透していませんでした。ユーザーの方も様々な不安を感じていましたし、ブランド側からも『インターネットで服は売れない』という声をいただくこともありました。

 その状況の中、最初の転換点となったのは2005年に、ユナイテッドアローズ様やビームス様など、大手セレクトショップのアイテムの取扱いが始まったときです。これにより、ZOZOTOWNのユーザーやブランドからの信頼度が上がり、取扱いブランド数が伸びていきました。

 続いて大きな転換点となったのは、テクノロジーの活用に注力したことです。特に大きな節目となったのは採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」のリリースです。これにより、多くの方がZOZOTOWNに興味を持ってくださり、会員数増加にもつながりました。そこから足の3Dサイズ計測ができる「ZOZOMAT」、肌の色を計測しコスメ選びをサポートする「ZOZOGLASS」と、テクノロジーを活用した購買体験へとシフトしていきました。

ユーザーファーストと多角的サービス展開で成長

――20年間続けてこられた中で、顧客体験を設計する上で大事にしてきたことはなんでしょうか。

青木 一番はやはり「ユーザーファースト」であることです。ファッションが好きな方に向けて、UI/UXにも徹底的にこだわって、ユーザーが何よりも使いやすい、買いやすい環境を提供し続けてきました。

 たとえば、ブランドによってサイズ規格が異なるという課題に対しては、ZOZO独自にサイズのガイドラインを作り、商品を一つ一つ採寸して情報を提供しています。これもユーザーファーストを続けてきたことの一つです。商品カットについても、社員にファッション好きや元々ユーザーだった人が多いからこそわかる、ユーザーが知りたいポイントを押さえた写真を提供することも徹底しています。

――一方で、時代とともに積極的に変化させてきた顧客体験やサービスもあるかと思います。どのような変化があったのでしょうか。

青木 ZOZOTOWNがファッションECとして少しずつ根付いてきた2007年頃のタイミングで、より多くのユーザーと接点を作るべく、アパレルの実店舗情報を検索できる「ZOZONAVI」やユーザー間で疑問を解消し合う「ZOZOQ&A」など、洋服を購入する以外のサービスを開始し、また、これらのサービスを統合してファッション総合サイト「ZOZORESORT」としてサイトをリニューアルするなど、顧客体験を変化させてきました。

 その後、世の中的にもECで服を買うことが当たり前になってきた段階で、古着を扱う「ZOZOUSED」、現在私が担当する「ZOZOCOSME」「ZOZOVILLA」と多様なニーズに対応したサービスを展開しました。

 この他にも、即日配送サービスや、過去購入した商品を下取りに出せる「買い替え割」、BNPL(Buy Now Pay Later)の先駆けである「ツケ払い」(後払い決済)など、サービス面でも新たなものを提供してきました。

――先ほど、ターニングポイントとなったテクノロジーについても、日々変えてきたところになるのでしょうか。

青木 おっしゃる通りです。ECでは試着ができないという大きな課題に対して解決策を提供すべく、テクノロジーを駆使しながら常に“ナナメウエ”のアイデアを出すことを目指してきました。

次のページ
ZOZOTOWNの直近の成長を支えている施策とは?

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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