大企業から中小企業まで グループ全体で成長支援
セルフサービステクノロジーである「Perpetua」は、大企業でも導入されているが、中小企業への導入も想定して開発されている。利用料金の設定が比較的安価な点も、特徴といえよう。
また、各社が求める形式に柔軟に対応し導入のハードルを下げる目的で、日本向けには他国よりも多くのサービスプランを用意している。
このように、日本の様々な企業に寄り添うサービスを提供するPerpetuaだが、2021年4月には、世界的にeコマース事業を支援しているAscentialの傘下となった。日本市場ではPerpetua以外に、主に大企業向けのEC支援サービスを提供しているFlywheelがいる。
また、これらを統括するAscential Digital Commerceはここ数年、各国のあらゆる企業を同グループに取り込みながら、デジタルコマースに求められる要素について理解を深めてきたという。
それにより現在は、Perpetuaが取り組む広告の最適化に加え、コンテンツマネジメントや物流に至るまで、グループ全体でEC運営を支援できる体制が整いつつある。
Ascentialはこの勢いをそのままに、グループ会社全体でも、クライアントの事業規模に合わせたeコマースの売上成長支援を行っている。日本市場におけるリテールメディア活用については、Perpetuaを中心に注力していく考えだ。
データの掌握と分析がリテールの未来を左右する
今後、リテールの形は大きく変わっていくと確信しているAbi氏と的場氏。特にオンラインリテール業界が秘めている将来性について、Abi氏はこう説明する。
「FacebookやInstagram、TikTokといったSNSで商品が紹介されると、Amazonでも該当商品が検索されたり、購入されたり、消費者の反応が見えてきますよね。これらのデータは今後、すべて一つ(Amazon Marketing Cloudなど)に統合され、商品開発や広告戦略に幅広く活用できるようになると予測しています。そうなれば、eコマースで商品を販売する企業の成長戦略には、さらなるデータの掌握とスムーズな分析が必須となるでしょう」(Abi氏)
繰り返しになるが、日本のリテールメディア市場は北米よりも後れをとっている状況だ。このまま他社の成功事例を待っていたら、企業はAbi氏の予測するリテール市場の変化についていけなくなるだろう。Perpetuaはこの現状を打開するため、日本での支援を続けていく。
「Perpetuaは、消費者のデータから導き出した広告施策を購入導線内に直接反映できる、いわばスーパーツールです。このツールをベースに、当社が支援する企業はもちろんのこと、リテールメディアに取り組むすべての企業が、チャレンジできる環境を提供していきます」(Abi氏)