快適な体験を重ねれば購買にもつながる ドットエスティ流・KARTE活用術
「顧客のEC体験をサポートする」と目的を明確にしたアダストリアでは、KARTE運用にさまざまな工夫を取り入れている。
「運営体制については、WEB事業部内のパーソナライズチームがKARTEを活用しています。顧客1人ひとりに適切なメッセージ配信を行い、より良い体験を享受していただくことがチームの役割です。営業経験を持つメンバーが多いため、データの取り込みやシステム整備などのIT分野については、DX戦略部がサポートに入っています」(アダストリア 上田氏)
ここで、福澤氏が社内メンバーの巻き込みかたで工夫しているポイントについて上田氏に質問を投げかけた。上田氏は「成果につながったウェブ接客のスクリーンショットを数字とともにLINEやSlackで共有している」と語った上で、このように続ける。
「目に見える形で共有すると、『私にもこのような使いかたができますか?』といった質問がメンバーから出てきます。すると、『結果を踏まえて一緒に新しい取り組みにトライしよう』と巻き込むことができるので、良い循環が生まれています」(アダストリア 上田氏)
なお、ドットエスティではKARTEの用途を大きく次のふたつに絞っている。
- ドットエスティ上で顧客のサポートをする
- データを活用してセグメントを作る
「1. について、ドットエスティ上での顧客サポートは、大きくふたつに分岐します。ひとつめは『購買を直接促進すること』、つまり自社EC内でのイベントやクーポン、ポイント訴求です。新たにインセンティブを用意したりイベントを行ったりするのではなく、あくまで既存のアセットを顧客にお知らせして購買につなげています。
そしてふたつめは、『機能・サービスの認知・活用をうながすこと』です。これは直接売上につながるものではありませんが、ドットエスティでは『お気に入り機能』『STAFF BOARD(店舗スタッフによるスタイリング投稿)』『ライブショッピング』など顧客に役立つさまざまな機能・サービスを提供しています。これらを紹介し、活用しながら快適な体験を重ねていただければ、結果的に売上にもつながると考えています」(アダストリア 上田氏)
2. については、「クーポン・ポイント訴求を行う上でのセグメントと配信リストの作成を行っている」と上田氏。運用の負荷を考え、「シナリオ・セグメント数はそこまで増やさずに効果が出るものを選りすぐって稼働させている」と語った。