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「体験」の価値が高まる実店舗 「@cosme TOKYO」がリードする化粧品業界のデジタルシフト

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2021/01/20 07:00

 ITの視点から実店舗の体験を拡張するアイスタイル。あえて余白ある空間を作り、実験を重ねる理由とは。 ※本記事は、2020年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.15』に掲載したものです。

 2020年1月10日、原宿駅前に新体験フラッグシップショップ「@cosme TOKYO」をオープンしたアイスタイル。これまでファッションビルやショッピングセンターなどに出店を行い、店舗数を拡大してきた同社は、初の路面店を出店する場所として原宿を選び、コスメを体験する楽しさをデジタルでより拡張する試みに取り組んでいる。2フロア合計400坪にも及ぶ広大な売場を用いて、同社が実現したいことはいったい何なのか。コスメ情報ポータルサイトの運営から始まったIT企業が今あえて大規模な実店舗を構える意図や、化粧品業界に必要なOMOの考えかたについて、同社グループ企業のコスメネクストでリアルエクスペリエンスの創出に携わる遠藤さんに聞いた。

株式会社コスメネクスト 代表取締役社長/株式会社アイスタイル RX領域担当 遠藤宗さん

「@cosme TOKYO」で新体験を作る

 クチコミサイトの先駆けと言える「@cosme」を1999年にオープンして以降、コスメを求める消費者と企業・商品の橋渡し役として躍進し続けるアイスタイル。2002年にEC事業をスタートし、2007年には「@cosme STORE」の1号店をルミネエスト新宿に構えるなど、いち早くオンラインとオフライン双方にビジネスの場を展開し、O2Oにも積極的に取り組んできた。現在、@cosme STOREは国内外に30を超える店舗を構えるまでに成長を遂げ、オンラインとオフラインの体験をより融合させていく必要性を感じていたタイミングで、運よく@cosme TOKYO出店のオファーを受けたと遠藤さんは語る。

「当社がやりたいことを実現するにあたり、いつか路面店の出店も行いたいと考えてはいましたが、オファーをいただいたのは本当にたまたまでした。売場面積は400坪。この広さを僕らは活かすことができるのかと悩みましたが、これまで僕らが抱いていたもやもやとした気持ちや、いつかはやってみたいと想像していたことを、いっそこの機会にやってみようと動くことを決めました」

 遠藤さんが述べた「もやもやとした気持ち」は、同社が提供するさまざまなサービスが事実上オンライン、オフラインをまたいで連携はしているものの、消費者の体験を実際に重ね合わせるまでには到達できていないと感じた点にあったと言う。

「こうした課題を解決しないことには、真のインターネットとリアルの融合は実現しないと危機感を覚えていました。それらを@cosme TOKYOで解決したいと考えたのです。『体験を作りたい。インターネットで行う体験がリアルの場でもできる、その逆も実現できる場を作ろう』と社内には伝え、目標意識を統一していきました」

 同店オープンに向けて始動したのは、2018年の12月。遠藤さんは、2019年の正月休み明けに店舗の見学を行い、同年3月には、3泊5日という弾丸日程でドイツ、フランス、イギリスの3ヵ国を視察した。

「本格的にハードの設計に着手する前に、お客様に店舗で提供する体験の前後にどのようなシチュエーションが存在し、どういった体験を整備する必要があるのかを考えました。実店舗を新たに作るというよりは、新たな体験を作るイメージでアイディアをまとめ、現在の形となっています」

この記事は、紙の定期購読誌『季刊ECzine』に掲載した限定公開の記事です。
続きは以下の方法でお読みいただけます。


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連載:季刊ECzine vol.15特集「Focus One Customer~OMOが生む新形態のコミュニケーション~」

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