個人情報保護に向けた世界的な動き Cookie-less時代の本格化へ
近年の世界的な潮流として、個人情報保護に関する法制度の厳格化が進んでいる。2018年にEU一般データ保護規則(GDPR)、2020年にはアメリカにてカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が施行され、日本においても改正個人情報保護法が成立した。
こうした動きを踏まえ、プラットフォーマーも対応を進めている。AppleはSafariに実装するITP(Intelligent Tracking Prevention)のCookie利用制限をさらに強化。Googleも、2020年1月にChromeでのサードパーティCookieのサポートを2年以内に廃止する方針を示すなど、デジタルマーケティングの世界は本格的なCookie-less時代を迎えつつある。
棚澤氏は、「これまでCookieに頼っていたリターゲティングの手法は使えなくなりますし、コンバージョンタグによる効果測定も行うことができなくなります。このままでは、新規およびリピート顧客の獲得が非常に難しくなってしまうということです」と語る。
こうした状況の中で、Cookieによるトラッキングに代わる技術として注目されているのが、ユーザーから明示的にデータ利用の同意を得て収集されたゼロパーティデータの活用だ。
「これからの時代は、大規模なIDを保有する事業者との連携がより重要になってくるでしょう。NTTドコモでは、以前からゼロパーティデータである会員基盤を軸にした広告事業に取り組んでおり、Cookie-less時代に対応したさまざまなサービスを目的に合わせて柔軟に活用いただけます」(棚澤氏)
なお、NTTドコモではこれまで、広告主や代理店ごとに多岐にわたる広告商品群から最適なメニューをセレクトして提案してきたが、その全容がわかりにくいという声も中にはあったと言う。そこで、改めて数々の広告商品の総称(ブランド)を「ドコモ広告」として名称統一。よりわかりやすいリニューアルを図っている。