ECでも求められるサステナブルな取り組み 情報の透明化はより重要に
小林氏は、3つめにこれから意識すべき項目として「サステナブルな取り組み」を挙げた。事業活動を継続する上で、近年とくに重要なキーワードとなっているサステナビリティ。「人間・社会・地球環境の持続的な発展」を意識してビジネスに取り組むことは、環境に寄与しながら事業を続ける意思表示となる。海外の投資家は近年、企業の成長性だけでなく、こうした取り組みにも着目し、策を講じていない企業に対する投資を回避する傾向にあるとも言われている。日本でも企業単位で浸透しつつある言葉だが、これからはECにも取り組みが求められるようになると小林氏は語る。
「今後は、オンラインで販売を行う際も廃棄物をどの程度生むのか明記すべき時代に突入する可能性が高まっています。また、一部のファッションブランドではリコマースサービスの立ち上げなども行われ、再利用の流れはより進んでいくでしょう。日本でもサステナブルに関するキーワードの上昇は顕著となっており、2021年はここにいち早く対応していくことが必要と言えます」(小林氏)
アメリカで広がるボイスコマース 率先した取り組みが新たな売上を生む
4つめに小林氏は、ボイスコマースについて紹介を行った。アメリカでは、Google HomeやAmazon Alexaなどのスマートスピーカーが普及し、75%の世帯が2025年までに所有すると予測されている。日本ではまだ馴染みが薄いが、アメリカでは、すでに3人にひとりが音声アシスタントやスマートスピーカーによる購買経験者であるというデータも存在しており、2022年までにアメリカとイギリスで400億ドル以上の売上を生むとも言われている。
小林氏は、「現状はモバイルフレンドリーが最重要項目となっているが、2021年以降、ボイスコマースの最適化がプラットフォームなどによって始まるかもしれない」と指摘。続けてこのように語った。
「ボイスコマースは、とくにAmazonに出店している事業者が意識すべき項目と言えます。今から最適化に向けた対応を考え、取り組むことが先々の優位性獲得や知見の蓄積につながり、新たな売上を生むに違いありません」(小林氏)