顧客体験がより重要に。統合データ基盤の整備は不可欠
セールスフォース・ドットコムでは市場のニーズや課題を捉えるために、さまざまなアンケート調査を実施している。同社Commerce Cloud, Lead Solution Engineerの西村朋子氏は、まず、2018年に実施した世界6,700名の消費者や購買担当者を対象とする調査結果をいくつか抜粋して紹介した。
- 80%の顧客は、企業が提供するCX(カスタマーエクスペリエンス)が製品やサービスと同等に重要
- 67%の顧客は、“すばらしい体験”と感じる基準が高まっている
- 57%の顧客は、競合のほうがより良い体験を提供しているため、その企業からの購入をやめた
「より良い“体験”に対する顧客の期待は高く、それがビジネスに与えるインパクトも大きくなっていることがわかります」(西村氏)
一方で、リテール事業担当者を対象に同年実施したアンケート(米国、ヨーロッパ諸国、日本、オセアニアの561名が対象)では、約60%が自社独自の価値は「商品にある」と回答。顧客の声と事業者側の認識に「ギャップが生じている」と西村氏は指摘する。
このリテール事業者向けアンケートでは、「顧客データ戦略」に関する意識や実施状況についての興味深い結果も出ている。調査対象を前年度の売上実績によってグループ分けしたところ、売上の高いグループ(エリートパフォーマー)は、売上の低いグループ(アンダーパフォーマー)に比べて顧客データに対する注目度が平均でほぼ2倍高かったという。売上を伸ばすためには、やはり顧客データの有効活用や統合データ基盤の整備が重要であることが読み取れる。