顧客に“刺さる”シナリオ設計のための5つのポイント
ここで、ECサイトにおける購入までのカスタマージャーニーを考えてみよう。トップページから購入に至るまでの動線において想定される離脱理由は、どこから商品をみたらいいか「よくわからない」、商品を「探せない」、どれを購入するか「迷う」、自分の想像した通りの商品であるか「不安」などが想定される。それらを解決するための施策を考えていくことが「シナリオ作成」だ。
木下氏はその施策として、(1)ウェルカムバナー、(2)初心者向けガイド、(3)問診誘導、(4)機能訴求、(5)後押し・不安払拭を挙げ、それぞれの事例を紹介した。
(1)ウェルカムバナー
- 目的:サイト来訪者をトップページから離脱させないため
- 事例:シャボン玉石鹸
商品特性を知ってもらうため“無添加”という特異性に関する問いをポップアップで表示し、知らないと答えた人には情報を伝えるようにしたところ、CVRが130%にアップした。
(2)初心者向けガイド
- 目的:トップページから進ませたいページへの誘導を図るため
- 事例:ジョンブル
サイトトップでLINEの友だち追加登録でクーポンがもらえるポップアップを表示。登録率が194%に向上した。ただし、アプリのダウンロードを促進しようとした際には効果が上がらず、新規流入が多いキャンペーンのLPで再度行ったところ、効果が上がった。
(3)問診誘導
- 目的:多くの情報の中から、迅速に必要な情報を選択させるため
- 事例:中川政七商店
一覧ページにて、初回訪問ユーザーに対し、カテゴリ分けに関するポップアップを表示。次のページへの遷移率が上がり、CVRが126%に向上した。
そのほか、他社のケースでは、作りこんだデザインバナーでキャンペーン誘導を行ってみたが、それよりもテンプレートバナーで問診型にしたほうが効果が高いことが判明。さらに表示のタイミングを調整したところ効果が上がった。