Amazon Payの導入で新規顧客の獲得やCVR改善が期待できる
一方、Amazon Payを導入するEC事業者側にとっては、「新規顧客の獲得」や「コンバージョンレート(CVR)の改善」といったメリットが期待できる。これらは先に挙げたユーザーにとってのメリットの結果として得られるものだ。
その裏付けとして、井野川氏はAmazon Pay導入パートナーであるソリューションプロバイダーの調査データなどを紹介した。
「ソリューションプロバイダー4社の調査(フューチャーショップ、ecbeing、アイピーロジック、GMOペパボ調べ)によると、ゲスト購入者の40~50%がAmazon Pay決済を利用しており、そのうち会員となった購入者の割合は60~80%でした。他の決済手段から会員となった割合は20~25%であり、新規会員獲得率が非常に高いことがわかります」
CVRの改善についても、Amazon Pay未導入企業の月間受注件数の増加率が+10%であったのに対して導入企業は+22%と、2倍ほど高い結果が出たという。(フューチャーショップ調べ)
これらに加えて、Amazon Payでの決済に関してはAmazon本体と同レベルの不正検知が行えることも事業者にとっては大きなメリットとなる。
国内でも実店舗決済を開始!
さらに広がる「コネクテッド・コマース」の世界
「Amazonでは、オンラインやオフライン、デバイスを問わずに、より良いショッピング体験をすべてのお客様にご提供できる『コネクテッド・コマース』の実現を目指しています」と語る井野川氏。そのコネクテッド・コマースを支える基盤となるのが、AmazonアカウントおよびAmazon Payだという。
たとえば、デバイスとしては従来のPCやスマートフォンだけでなく、スマートスピーカーの「Amazon Echo」など「Alexa」搭載デバイスもAmazon Payの決済に対応。すでに、声(音声)の入力だけで日本赤十字への寄付が行えるサービスも始まっている。
また、オフライン(実店舗)での取り組みとして、米国ではリアル書店の「Amazon Books」やコンビニエンスストア「Amazon Go」をはじめ、Amazon以外の店舗でも一部飲食店などでAmazon Payの決済サービスを展開。今年8月には、日本においてもAmazon Payの実店舗での決済サービスを開始した。
国内でのAmazon Payの実店舗決済は、東京都のカフェや食料品店、福岡市の飲食店などでスタートしており、今後も順次サービスを拡大していくという。