クラウド化による数え切れない恩恵。オンプレミスからの移行もスムーズに
――クラウドが登場し、何が最も変わりましたか?
鈴木 ひとことで言えばすべてですが、たとえば今まではデータ収集だけでも数ヶ月かかっていたのが、クラウドを使うことで1週間になりました。ハードウェア調達、ネットワーク設計、実際の運用に至るまで、特に大企業が相手となれば、大手のSIerしか手が出なかった領域ですよね。当社のような規模の企業がビッグデータの領域に入ることは、10年前には絶対にできませんでした。特にIoT領域でのここ1年ほどの進化はすさまじかったように思います。
――クラウド環境としてMicrosoft Azureを選んだ理由は?
鈴木 元々オンプレミス環境をお持ちのお客様が、クラウドに移行したいという要望は増えてきています。多くの企業がオンプレミスではWindows環境を使っていますから、Microsoft Azureへの流れは自然ですよね。
機能面においては、アカウント情報の取り扱いが優れていると感じます。たとえば「マシンラーニングを使って独自に分析したい」という人がいれば個人単位に権限を付与可能なため、複数人でいろいろな分析を試すことができます。
平原 すでに「Microsoft Azureでマシンラーニングを使っています」「Power BIを利用しています」といった企業さんも増えています。徐々に一般化しつつあるのではないでしょうか。
――競合と比較して、Microsoft Azureの優位点は?
鈴木 少ないコストで、オンプレミスからシームレスに移行できるのがやはり1番でしょうか。企業のデータ基盤を丸ごと移行するような大きな話ですから、そのやりやすさは重要です。お客様によっては、セキュアなデータをどうしてもクラウド上に置けないという場合がありますが、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境にする際も、スムーズに作業できます。
平原 加えて拡張性の高さがあります。特に小売業などは、繁忙期になるとアクセスやデータ量が通常の2~3倍にもなります。今までなら、それによってサーバが落ちるか、繁忙期に合わせてわざわざ大きなデータセンターやサーバを用意するかでした。クラウドなら簡単にスケールアップやダウンができますからね。