ROAS最大150%の事例も 台湾事例から学ぶデータ×テクノロジー×UXの進め方
2022年に台湾のMarTech企業 Omniscient Cloud Technologies, Inc.を買収し、beBit Technology Inc.(以下、beBit TECH)を立ち上げたビービット。ここで東野氏は、beBit TECHが支援を行いグロースマーケティングに成功した台湾の事例を3つ紹介した。
台湾のお菓子通販サイト「六月初一」
日本よりも高いEC化率を誇る台湾。ECに付随するマーケティング施策も多様化しているが、六月初一は当初「レベル1」のフェーズにあったという。
「当社が支援する以前の六月初一は、購買後のコミュニケーションがメール一斉配信のみ、開封率はわずか10%となっていました。これで売上を上げるのは難しいということで、ご相談をいただいた形です」(東野氏)
同サイトが成功した秘訣として、東野氏は「セグメント」と「レコメンド」を挙げた。「A お試し購入セグメント」「B 新商品好きセグメント」「C-1 会社ギフトセグメント」「C-2 共同購入セグメント」と4つのセグメント分けを行い、それぞれに合った施策を展開。特定客層の行動・嗜好を理解したアプローチを行った結果、ROAS(広告投資収益率)を最大150%にまで改善している。
台湾のお菓子通販サイト「凡尼船長(Captain Danny)」
東野氏が2つ目に紹介した事例は、台湾のお菓子通販サイト凡尼船長だ。設備メーカーから異業種参入した同サイトは、顧客管理のノウハウや基盤を有していなかったため、beBit TECHに相談。顧客基盤構築から手助けを行ったとのこと。
「凡尼船長は、当社が提唱する独自のライフステージ分析モデル『NASLDOモデル』に則って施策設計をしました。NASLDOモデルとは、顧客を『New(新規顧客)』『Active(コア顧客)』『Sleep(休眠顧客)』『Lost(離脱顧客)』『Deep(保存会員)』『Opportunity(未購入会員)』の6つに細分化する考え方です」(東野氏)
同モデルは、業種・商品特性によってアプローチの方向性が若干異なるものの、「基本的には購入日数と商品単価をチューニングすれば様々なビジネスに適用することが可能」だと語る東野氏。トライ&エラーを重ねながらデータを中心とした経営に取り組んだ結果、グロースマーケティングの実践に成功した好例といえる。
会員数100万人以上のコスメ通販サイト「iQueen」
東野氏は、3つ目の事例としてコスメ通販サイト iQueenを紹介した。同サイトは積極的な広告施策・会員獲得施策を実施した結果、会員数や商品点数、サイト規模拡大に成功していたが、新規顧客獲得の限界を感じていたという。
「同サイトは、AI活用で課題を解決しました。『7日間以内に買いそう』『購入確率が高そう』といった予測指標に基づいて、AIが顧客ごとに5段階のオーディエンススコアを付与。『Score5』の顧客は、他の層の顧客に比べてコンバージョン率が2倍から3倍、収益額は1.8倍から3倍高いことが見えてきました。
この結果を踏まえ、同サイトはScore5の顧客に併売の案内など費用対効果の高いマーケティング施策を展開。さらに、過去に配信したコンテンツやチャネルをAIが機械学習し、最適なチャネル・時刻を予測して『スマート配信』を行うことで、開封率を15%から23%にまで改善しています」(東野氏)
最後に東野氏は、グロースマーケティングを実践する一つの手段としてビービットが提供する「OmniSegment」を紹介した。
「OmniSegmentは、BI、CDP、AIやMAツール活用といったグロースマーケティングを実践するためのコアコンポーネントをワンストップで提供しています。テクノロジーを使って人が運用するには限界がある取り組みを円滑化し、ECビジネスを刈り取り型のマーケティングからグロースマーケティングに変えるソリューションです。データ×テクノロジー×UXでフルファネルでのマーケティング展開、LTV向上を叶えるのが、OmniSegmentの目指す先です」(東野氏)
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