ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、2024年に続きマクロミルグループに調査を委託し、TikTokが日本社会にもたらす経済的・社会的影響を多角的に分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report~日本における経済的・社会的影響~」を公開した。

TikTokは世界で月間10億人以上が利用するショートムービープラットフォームであり、日本国内でも年齢層・属性を問わず利用が広がっている。今回のレポートでは、TikTokが日本にもたらす価値を「経済的価値」「ユーザーにとっての価値」「クリエイター経済圏としての価値」の3つの観点から総合的に分析した。
経済的価値:TikTokを通じて発生した推定消費額は2,375億円、前年比37%増
2024年、TikTokの利用を通じて発生した推定消費額は2,375億円となった。これは前年の1,772億円から37%成長(約603億円の増加)となり、国内名目GDPへの貢献額は前年比114億円増の4,855億円に達した。また、雇用への波及効果も高く、約4.2万人の雇用がTikTokを通じて支えられたと推計されている(2023年:2.6万人)。
また、中小企業においても影響は拡大しており、名目GDPへの貢献額は1,094億円、雇用者数への影響は約9,700人となり、TikTokを通じて新たな顧客と接点を持ち、販売活動や採用活動の成果を得ている事業者が多く見られる結果となった。
さらに、TikTokユーザーのうち33.9%が「TikTokのコンテンツを見て商品やサービスの購入経験がある」と回答。若年層ほど購入経験の割合は高い傾向にあるが、60代でも19.5%が経験があると回答し、TikTokは幅広い世代の消費行動に影響を与えていると言える。
ユーザーにとっての価値:ユーザーの58.6%がTikTokきっかけで購入・来店の経験あり
TikTokユーザーの61.5%がTikTokを「ほぼ毎日視聴している」と回答しており、TikTokは日常的に使われるプラットフォームとして定着していることがうかがえる。また、77.5%のユーザーが「TikTokは新しい情報を得られる」と回答し、ライフハックや料理・家事、美容系、エンタメなど日常生活に密着した動画コンテンツが、情報との新たな出会いを生んでいることがわかった。
さらに、「商品を購入した」「お店やスポットに訪れた」などTikTokをきっかけに何らかの行動を起こしたと答えたユーザーは58.6%にのぼった。
クリエイター経済圏としての価値:推定収益1,197億円、226万人がTikTokで創作活動
TikTokを通じて創作活動を行うクリエイターは全国で226万人にのぼり、その経済活動による推定収益は1,197億円と試算された。
TikTokでの活動によって「他のクリエイターとのつながりができた(36.7%)」「ファンとの交流が活発になった(36.0%)」と感じるクリエイターも多く、また、26.7%が「企業案件やコラボ依頼が増えた」と回答しており、TikTokを通じた新たなキャリアのきっかけやビジネスチャンスの場として機能していることが確認される結果となった。
さらに、クリエイターによる地域紹介動画を通じて、「地域に行きたくなった」と感じたユーザーは68.5%、「地域の理解が深まった」と答えたユーザーは45.6%に達しており、TikTokが地域振興や関係人口の創出にも寄与していることが示された。