SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

顧客理解から始まるCX向上のトレンドにフォーカス

誰でも情報発信できる時代、ブランドはデータとクリエイティブを磨き込もう @cosmeの実践例も紹介

 ウェブサイトのみならず、SNS、動画チャネルなど、ブランドと顧客のタッチポイントが増え続ける現在。コミュニケーションも複雑さを増し、競合がひしめくなかでどう差別化してメッセージを届け、エンゲージメントを高めていくべきか、悩むブランド担当者も少なくないだろう。こうした課題に応えるため、テクノロジーとクリエイティブの関係性について研究を進めているのが、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム「Braze」を提供するBraze社が運営する「427° Innovation Lab」だ。今回は、同ラボを率いる戦略コンサルタント シニアディレクターのシャロン・パネロ氏に、新時代のカスタマージャーニー形成やテクノロジー活用、クリエイティブの作り方について話を聞いた。

顧客離反やSNS炎上を避けるには デジタル上でも意識したい“細やかな気遣い”

 インターネットの登場以降、ブランドと顧客のコミュニケーションは親密さを増している。この変化に最も貢献しているのが、テクノロジーの進化だ。ブランドから顧客へのコミュニケーションが一方通行であったマス主流の時代と比べると、メール、チャット、SNSと様々なチャネルが生まれ、インタラクティブなやりとりが当たり前なものとなっている。言い換えると、「情報の“発信者”と“受信者”の垣根がシームレスになった」ともいえるだろう。

 そんな時代背景を踏まえ、「カスタマーエンゲージメントはますます複雑化している」と語るのが、Brazeのシャロン・パネロ氏だ。同氏はマッキャンエリクソンでブランドの成長支援に加え、SNS台頭以前よりリアルタイムで発信されるソーシャルコンテンツにまつわる研究を手がけ、Braze入社後はオムニチャネルエクスペリエンスの可能性を追求するために「427° Innovation Lab」を立ち上げている。

「私は、戦略コンサルタントとして働きながら『427° Innovation Lab』で日々アナログとデジタルをつなぐ“融点”を探っています。同ラボのコンセプトは『Forging lasting connection between consumers and the brands they love(消費者と彼らが愛するブランドとの永続的なつながりを構築する)』で、これを体現するためにある金属の融点に近い『427°』をラボの名前に加えました」

Braze, Inc. ストラテジックコンサルティング部 シニアディレクター/427° Innovation Lab シャロン・パネロ氏
Braze, Inc. ストラテジックコンサルティング部 シニアディレクター/427° Innovation Lab シャロン・パネロ氏

 パネロ氏は前出のとおり、SNSがマネタイズの手段として浸透する以前から研究と実践を重ねてきた人物だ。Brazeに入社してからも、広告に限らずブランドのあらゆるコミュニケーションを手助けしてきた同氏は「ブランドの成長率を左右する要因として、差別化とコミュニケーション最適化の重要度が年々増している」と説明。さらに「SNSの影響力も高まっており、今や最重要チャネルといっても過言ではない」と付け加えた。

「ブランドは、“残念な顧客体験”を作らないよう努力しなければなりません。BrazeがForrester Consultingと共同で実施した調査によると『自分に無関係なコミュニケーションを不快と感じる』と回答した消費者は90%に上り、過度なアプローチがブランド離れのきっかけになる結果も示されています。

 たとえば、仕事をしている平日昼間に頻繁にプッシュ通知が届いたり、自分が探してもいない商品のレコメンドが何度も送られてきたりしたら、うんざりした気持ちになりますよね。購入直後にその商品の割引クーポンが届いたら、もうそのECサイトで商品を買いたくなくなるかもしれません。こうした体験は離反を生むだけでなく、SNSなどで瞬時に拡散されてしまう可能性もあります。ブランドと顧客を取り巻くすべての接点・プロセスにおいて“細やかな気遣い”が必要な時代だといえます」

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
誰でもストーリーテラーになれる時代 競合と差をつけるには何を取り入れるべきか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
この記事の著者

岩崎史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/16673 2025/06/05 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2025年6月12日(木)10:00~17:25

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング