実店舗接客のタイミングを踏襲し、受け入れられやすい提案を
セルフサービス型から提案型の接客が求められる現代のECだが、闇雲に提案してもユーザーに敬遠されてしまい、CVR改善にはつながらない。
「ユーザーに受け入れられるECを作るには、実店舗での接客と同様に、適切なタイミングを見計らった提案が重要です」(深田氏)
深田氏は、提案の仕方を工夫して成果につなげる3つの事例を紹介した。
事例:品切れのタイミングで同型の中古品を案内する
商品購入済、もしくは購入検討中のユーザーへの類似商品を提案する施策は、多くのECサイトで行われているが、こうした提案を品切れ時に実施し、大きな成果につなげているのがある中古用品店の事例だ。
「当事例では、品切れしている商品の商品詳細ページを訪問したユーザーに対して、同型の中古品を提案したところ、購入完了改善率を225%に伸ばしています」(深田氏)
事例:困っていそうなユーザーにチャットを案内する
ユーザーをサポートするためにチャットサービスを導入したものの、なかなか利用されていない。こうした課題を抱えるケースも少なくないはずだ。当事例ではリアルタイムでユーザーの行動を分析し、商品詳細ページでしばらく動きが止まっているなど、ユーザーが困っていると思われるタイミングでポップアップを表示。「何かお困りですか?」といった声がけからチャット利用の促進につなげ、チャット起動率128%、購入完了改善率116%を記録している。
事例:購入者にレビューを依頼する
商品を購入したユーザーにレビューを依頼する際も、タイミングを見計らうことが大切だ。当事例では、該当ユーザーが購入後に再来訪した際に、トップページにレビュー依頼のポップアップを表示。ポイント付与などのインセンティブやレビュー投稿の手順を提示し、レビュー投稿完了改善率138%という結果につなげている。
「実店舗ではスタッフがお客様の様子を見て、タイミングを考えながら声がけや質問・案内といった接客を行っています。Web上でこれを完全に再現するのは難しい部分もありますが、コミュニケーションの手順として学ぶべきことは非常に多いです。そのため、Sprocketでは実店舗での接客を参考にした『マルチステップWeb接客』を取り入れています」(深田氏)
同接客では、Webサイトに来訪したユーザーにまずポップアップ動画を表示。興味の有無と詳細の案内を希望するか聞いた上で、興味を示したユーザーに対して動画などのコンテンツを案内している。これは、実店舗で常日頃行われている「声をかける」「許可を得る」「奥まで案内し説明する」といった3ステップを再現した流れだ。
深田氏はセッションのまとめとして、「CVRを改善するには、『フリクションのない顧客体験設計』『解決方法を提示する』『ユーザーが提案を聞いてくれるタイミングを考える』という3点が重要である」と改めて強調。最後に、自社の強みであるCROプラットフォーム「Sprocket」や、知見の結晶であるコンバージョンメソッド、ツール利用のサポートからCVR最大化の代行まで請け負うコンサルティング(運用支援)について説明し、セッションを締めくくった。
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