共感を重視するウィゴーがサイト内検索で知る「顧客の今」
1994年に大阪・アメリカ村にて創業し、メンズ・ウィメンズを問わずユーズドライクな着こなし提案を行うウィゴー。近年はタレントがプロデュースするブランドを立ち上げたり、インフルエンサーや人気実店舗スタッフの訴求力を活かした商品開発・コンテンツ発信を行ったりと、「共感」を軸としたブランド価値向上にも積極的に取り組んでいる。
流行に敏感な若年層をターゲットとする同社において、変化する顧客の動きを素早くキャッチし、時節に合った商品・情報提供を行うことは必要不可欠と言える。店頭やSNSで情報収集を行いながら、ECサイトに来訪する顧客の潜在的かつリアルタイムで求めている情報を知るために活用できるのが、サイト内検索データだ。
9ブランドを展開し、膨大なSKUを誇るウィゴーは2019年3月に自社ECサイト「WEGO ONLINE STORE」をリニューアル。同時に、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入している。コロナ禍でEC需要が高まる中、検索を磨き込むことで得た成果や、実店舗に近い購買体験を提供するための機能・情報活用について、ウィゴー、ZETAの3人に話を聞いた。
検索改善に1to1で対応 スマートフォンで探しやすいECサイトへ
――ウィゴーのデジタル戦略と、「ZETA SEARCH」導入以前に抱いていた課題について教えてください。
鈴木(ウィゴー) 当社が全社一丸となって取り組んでいるのは、ソーシャルメディア施策です。とくにコロナ禍においては、ライブコマースに注力しています。実店舗スタッフの接客をオンライン上で直接受けることができる体制を構築し、お客様からも好評のお声をいただいております。
ウィゴーは、これまで実店舗主軸に展開していたため、正直に申し上げると新型コロナウイルス感染症の流行以前はEC化率が1割程度と、そこまで高い状況ではありませんでした。しかし、コロナ禍で社内全体に「EC強化を行おう」という意識が広がり、現在は実店舗がすべて営業している中でも、EC化率が2~3割程度にまで伸びている状況です。
「WEGO ONLINE STORE」は商品の取扱点数が非常に多く、「ZETA SEARCH」導入以前はお客様に2ページ目以降の商品をなかなか閲覧していただけない、検索からのコンバージョン率が上昇しないといった課題を抱えていました。これらを解決する上で、検索ロジックの改善に1to1で対応していただける点に魅力を感じ、「ZETA SEARCH」の導入を決めました。
平岡(ZETA) ウィゴー様に最初にご相談をいただいたのは、2017年11月。「検索を活用してトップページから動線を作っていきたい」という内容でした。ECサイトのリニューアルをお考えとのことでしたから、検索ページの表示方法について当社からいくつかデザイン案を提出し、商品マスタを活用した細かい出し分けについてもご検討いただきながら、詳細を詰めていきました。
出張(ZETA) とくに重要視していた商品の並び替えについては、現在進行系で注力して取り組んでいます。商品ボリュームが多いECサイトにおいて、どのようにしてお客様に2ページ目以降を閲覧していただくかは各社課題として持たれているかと思いますが、ウィゴー様のお客様は若年層の比率が高く、スマートフォンで利用しやすいECサイトを目指す必要がありました。
従来のアパレルECサイトではカテゴリ軸での検索が多いという定説がありますが、ウィゴー様のお客様の検索動向を踏まえ、私は「キーワード軸での検索に注力すべきである」とご提案をしました。たとえば「ベルト」とキーワードを入力して検索した際、お客様は恐らく腰につけるベルトを探していると思われますが、キーワード検索の場合、ベルトがついたコートなどが上位に表出してしまう恐れがあります。求めている商品と異なるものが上位に出てくることで、「私が探している商品はここでは見つからない」と離脱してしまう。こうしたことが起きないよう、担当のエンジニアと相談しながら日々ブラッシュアップを行っています。
平岡(ZETA) ウィゴー様から「サイズの絞り込み検索の需要が高い」というお話を受け、全サイズで絞り込み検索ができるよう対応しました。商品データをお預かりする以上、当社としては最大限にデータを活用しお役に立ちたいと考えています。そのため、積極的にアイディアを出し、ご提案するよう心がけています。