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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2020 Autumn レポート(AD)

なめらかな顧客体験提供に欠かせないDX 2025年の崖を超えビジネスを成長させる秘訣を伝授

DX推進で超えなくてはならない4つの壁 必要なシステムは?

 なめらかな顧客体験を創出するにあたり、現在の企業には「4つの壁がある」と長谷川氏は説明する。まずひとつめは、人を巻き込むのが難しいという「心理的障壁」だ。この解決策としては、「全社一丸となる認識・文化をトップダウンで作ることが重要」だと言う。ふたつめに挙げられたのは、関係部署が多く責任が分散してしまう「組織的な課題」。これは、役割分担を明確にした体制図を作ることで解決することが可能だ。また、3つめの「議論が発散しアイディアがまとまらない」という点については、顧客志向で物事を考え、ビジョンを常に確認することが有効となる。理解の差を生まないよう、DXの理解レベルを一定にすることも大切だ。そして、4つめの壁「そもそも社内でスキル・知識が足りない」という点について、長谷川氏はこう語った。

「すべてをひとりのDX担当者が見るのは不可能です。DXは範囲が広く、すべての知見を持った人材は存在しません。ぜひ、外部の力を頼るべきです」(長谷川氏)

 しかし、外部の力を借りる際にも注意点がある。従来型の業務委託契約では、計画フェイズで考えていた目的・ビジョンが薄れてしまうケースもあり得るため、「すべてのフェイズにおいて伴走型で支援できるパートナー選びが鍵を握る」と長谷川氏は語る。一貫したプロジェクトマネジメントを行い、担当者に明確なビジョンを伝えながら各フェイズをコントロールすることで、当初考えたビジョンを切れ間なく実現することができるというわけだ。

 GMOメイクショップでは、「Axコンサルティング」によって、現状の経営・現場課題の可視化から、あるべき姿の可視化、問題解決のための施策策定まで、コンサル的視点から目標解決までを伴走している。また、ECアウトソーシングやマーケティング支援など業務まわりにも対応可能だと言う。長谷川氏は「壁は主に『リソースとスキル』であり、外部の力を借りることが望ましい。『伴走型』のパートナーを選ぶことが重要」と強調した。

 続いて、「DXに必要なECシステム」について解説が行われた。DX推進の背景には、システムの老朽化、肥大化、ブラックボックス化などがあると言えるが、DX後は成長し続けられる仕組みが求められる。リプレイス後に同じ過ちを繰り返さないためには、適切なECプラットフォーム選びが大切だ。現在は、ASP、パッケージ、クラウドEC、スクラッチと種類も多様化しているが、DXで実現したいことを踏まえた上で検討を行うことが必要となる。

 長谷川氏は、「ビジネスロジックの外部化によって、システムのブラックボックス化を防ぐ」という観点からクラウドECを選択するメリットを述べた。ビジネスロジックは、ビジネスモデルをシステムに実装するための仕様であり、いわば「顧客の販売戦略そのもの」と言える。ECシステムにおけるカスタマイズ部分は、ほとんどがこのビジネスロジックの実装と言え、これを特定のシステム内に組み込んでしまうと、次なる成長ステップに移行する際に過大なコストを要する可能性もある。クラウドECを活用し再利用できる領域で手を加えれば、ブラックボックス化を防ぐと同時に、自社のビジネスを守ることもできるというわけだ。

 一般的なASP、パッケージ、スクラッチシステムは、ビジネスロジックをEC本体機能に組み込む必要があるため、熟知したエンジニアでなくてはカスタマイズができず、追加変更時に多くのコストを要する傾向にある。また、将来的にプラットフォームの乗り換えが必要になった際に、ビジネスロジックを再利用できない可能性も高い。

 一方、API型クラウドECシステムであれば、ビジネスロジックがベンダー領域の外側に存在し、API通信で接続してリモコンのように外部操作ができるため、追加・変更を容易に行うことができる上、コストも比較的安価に抑えることが可能だ。また、システムと分離したところでビジネスロジックを管理すれば、プラットフォーム乗り換え時の再利用も容易にすることができる。

次のページ
DXに最適なヘッドレスECシステム「Axコマース」 具体的な活用例を紹介

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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