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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2020 Autumn レポート(AD)

なめらかな顧客体験提供に欠かせないDX 2025年の崖を超えビジネスを成長させる秘訣を伝授

 小売・流通業界において、次世代を担う事業戦略では「DX」が重要な鍵を握るとされている。しかしながら、いざDXを推進しようとすると、システムや組織などさまざまな面において障壁が立ちはだかることもあるだろう。2020年10月6日に開催された「ECzine Day 2020 Autumn」にて、GMOメイクショップ株式会社 新規事業部 Axコマースグループ サブマネージャーの長谷川誠氏が、EC・POS・アプリ・店舗をマルチヘッドとしてシステムを構築し、「なめらかな顧客体験」を実現するための施策について、事例を踏まえながら紹介した。

このままでは「2025年の崖」は越えられない 企業のDXがうまくいかない理由とは

GMOメイクショップ株式会社 新規事業部 Axコマースグループ サブマネージャー 長谷川誠氏

 長年にわたり、日本のインターネットインフラを担ってきたGMOインターネットグループ。GMOメイクショップは、同グループの一員としてECプラットフォーム事業、マーケティング支援事業、EC運用受託事業などのEC支援事業を展開し、ネットショップ構築ASP「MakeShop byGMO」は年間総流通額で8年連続業界1位(同社調べ、2020年3月時点)を誇る。さらに2019年には、ハイレイヤー向けコマースシステム「Axコマース byGMO」をローンチし、多くの顧客のDXにおける課題解決に向け提案を行ってきた。

 長谷川氏はAxコマースの立ち上げに携わり、これまでさまざまな顧客と向き合ってきた経験から「事前に自社のDXのゴールはどこなのか、しっかりと考えることが重要」と語る。多くの場合、既存戦略から成長の崖を突破する方法としてDXを位置づけ、数年後の売上額を目標と設定しがちだ。しかし、長谷川氏は「長期的に目標を正しく理解するために、とらえかたを変える必要がある」と指摘。その上でこのように述べた。

「DXは『2025年の崖』を超えることを目標とした上で、その先の成功につなげることを最終的なゴールとすべきです」(長谷川氏)

 「2025年の崖」とは、経済産業省が発表した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」に未来予測として記されているもので、2025年にはIT人材の不足やシステムの老朽化、デジタル市場の成長などにより、現在運用しているシステムのほとんどがレガシーとなり、新たなビジネスモデルへの対応が遅れるというものだ。その結果、デジタル時代の戦略が実行できずに競争力が低下し、損失額は年間最大12兆円にも上ると言われている。こうしたシステムの限界をビジネスの成長の限界にしないために、DXが不可欠というわけだ。

 もちろん多くの企業が急ピッチでDXに取り組んでいるはずだが、必ずしも成功しているわけではない。明暗を分ける原因はいったい何なのだろうか。

 企業の多くは、売上を順調に伸ばした後に成長が鈍化すると、何らかの策を講じなくてはならない局面に陥る。そこで経営者からDX推進の要請がなされ、現場はさまざまな施策を講じて組織とシステムの課題を解決する。こうすることで、コスト削減や利益率向上などの成果は得られるかもしれないが、「それは本来のDXの成功とは言えない」と長谷川氏は言う。

「こうしたその場しのぎの対策は、瞬間的に売上を伸ばすことには寄与しますが、成長カーブは変わらず鈍化し続けてしまいます。結果、2025年には競争力を失って失速することが予想されます」(長谷川氏)

 長期的なビジョンを描かないことには、時代の変化に対応できず、消費志向の変容に対応することは難しい。「DXが手段でなく目的になっていては、2025年の崖を超えることはできない。その先を思い描くことが大事」と長谷川氏は強調する。あくまでDXは未来の競争力を育てる手段であり、決して即効性のある薬ではない。競争力を保って勝ち続けるためには、2025年の先を見据えた「新たな価値を提供し続けられる仕組みを作ること」は欠かせない。

次のページ
市場・システム・組織を総合的にアップデート DXの本質的な目的を考える

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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