1対1の関係を「無限」に広げる AIがもたらすECの未来
━━現時点での手応えや、社内の反応はいかがですか?
三浦 まだ入口に立った段階ですが、実現したい提案の形が少しずつ近づいています。また、運用してみて感じるのは、AIを育てる過程が私たち人間側の成長にもつながっているということです。
「AIに何を学ばせるべきか」を考えることは、自分たちのブランド価値やお客様が何を求めているのかを深く再認識する作業でもあります。また、これまで現場のトップ販売員しか持っていなかったノウハウをAIに学習させることで、組織全体で知見が共有されるという思わぬ効果も出始めています。

━━今後、EC事業者がAIエージェントを導入する際に意識すべきことは何でしょうか。
三浦 AIを単なる「効率化ツール」や「機械」だと思わないことです。効率化だけが目的なら、AIである必要はありません。重要なのは「一方通行ではなく相関的な考え方を持つこと」です。
人間が1対1で接客できる人数には限界がありますが、トップレベルまで育ったAIエージェントがいれば、同時に数千人、数万人のお客様と1対1の信頼関係を築くことができます。この「質の高いコミュニケーションの複製」こそが、AIエージェントの最大の価値だと思います。
ECでしかできない接客を編み出す
━━最後に、ワイヤードビーンズの今後の展望を教えてください。
三浦 ブランド側としては、AIを使ってECにおける「新しい販売の形」を確立したいと考えています。一方、デジタル事業としては、今回の取り組みで生まれた成功事例を「ユースケース」としてクライアントに還元していきたいです。
単なる問い合わせ対応という「守り」の業務効率化だけでなく、そこから積極的に提案して売上を上げていく「攻め」のサービスへと昇華させていきたいですね。AIが私たちの想像を超えた「ECでしかできない接客」を編み出し、これまで売れなかったものが売れるようになる。そんな未来がすぐそこまで来ていると感じています。
