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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ECzine Day 2025 Winter レポート

アデリアレトロ・カリモク家具の若手SNS担当者が対談 それぞれの感性が光る施策と社内を動かす考え方

ファンが熱狂する施策 共通点は“ストーリー性”

 具体的な施策に話が移ると、桐本氏は印象深かった企画として「再会チャレンジ」を挙げた。「アデリアレトロ」が初めて行ったファン参加型のユニークな取り組みだ。

「『アデリアレトロ』は開発当時の資料が残っていないため、実際に昭和時代に販売されていた商品が手元になければ、当時のデザインを再現できません。そこで、フォロワーにグラスを所有していないかInstagramで呼びかけたのが、このキャンペーンです。復刻したい6種類のグラスをもっている方を募集したところ、全種類が集まりました。この経験から、積極的にフォロワーに協力を求める方針に転換したのです」(桐本氏)

 新商品の開発過程にファンを巻き込む。「アデリアレトロ」がファンとの直接的なコミュニケーションのきっかけをつかんだ施策といえるだろう。

 同様に、「カリモク家具」が特に力を入れているのが「もの作りの裏側」「自社の原点である“木”」に関する発信だ。

「たとえば、山から切り出した木を保管する『土場(どば)』の写真を投稿しています。ここは、基本的に林業関係者しか立ち入れない場所です。そのほか、工場内での吹付け塗装、布張り製品の縫製作業の動画など、一般の消費者が普段目にしない現場を撮影し、紹介しています。こうしたもの作りの裏側は、家具が手元に届いただけでは伝わりません。当社や作り手の木に対する真摯な姿勢を示したいのです」(朝岡氏)

カリモク家具株式会社 事業開発本部 事業開発部 プロモーション課 朝岡有葉氏
カリモク家具株式会社 事業開発本部 事業開発部 プロモーション課 朝岡有葉氏

 同ブランドでは、木材の調達から商品の開発・製造・販売まで一貫して行っている。その中で大切にしてきた想いを、Instagramを通じて世界中に届けているという。また、セッション冒頭で紹介した「Karimoku Commons」のギャラリーや、そこで開催されるイベントの情報も発信。空間のスタイリングや木製家具そのものの美しさを伝える写真とテキストによって、ブランドの世界観を表現している。こうした投稿に、海外ファンからコメントが寄せられることも珍しくない。

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 投稿内容や商品の見せ方が異なる2ブランドだが、商品にまつわるストーリーの発信は大きな共通点といえよう。

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投稿の継続には社内外の協力が不可欠 気づかされたエピソード

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この記事の著者

田中なお(タナカ ナオ)

 物流ライター。青山女子短期大学を卒業後、物流会社に14年間勤務。その後、2022年にフリーライターとして独立。企業オウンドメディアや物流ニュースメディアで発信活動をし、わかりやすく「おもしろい物流」を伝えている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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