情報にリーチしづらい地方事業者のEC進出 どう後押しできるか
「じゅんさいときりたんぽ 安藤食品」の事例からもわかるように、近年は地方でのEC需要が高まっているという。しかし、EC運営に関する勉強会やイベントなど、情報収集の場が少ない地域があるのも事実だ。
「カラーミーショップ byGMOペパボ」では、オンラインセミナー開催のほか、EC運営のコツやノウハウを誰もがインプットできるように、公式のYouTube チャンネルでの情報発信に力をいれている。また、地方でも定期的にリアルイベントを実施。太田氏は「EC運営を学ぶための入口を多数用意している」と話す。
「地方の事業者は、今まで地元でしか販売していなかった商品を全国に届けることで、新たなお客様と出会い、売上規模を拡大できます。こうした事業成長を後押しするため、当社は地方自治体と連携し、現地の事業者のEC進出を支援する取り組みも進めています」(太田氏)
加えて、「カラーミーショップ byGMOペパボ」は地方のEC/ウェブ制作会社との協業にも意欲的だ。
「地方のEC運営を支援するのに最適なのは、やはりその地域に根差した制作会社です。彼らとも深いコミュニケーションを取り、結果的に各事業者のEC運営のハードルを下げたいですね」(太田氏)
自動電話応答にCRM機能 “EC周辺”もカバーする「カラーミーショップ byGMOペパボ」次の20年
この20年で全国のユーザーを支援し、ともに成長してきた「カラーミーショップ byGMOペパボ」。2025年以降に目指すのは、“EC周辺”までカバーするサービス力の強化だ。
「商品を売るだけで終わらないのがEC運営です。商品の認知拡大から配送まで、包括的に支援できる体制を整えます」(寺井氏)
既に提供が開始した機能の一つに、電話自動対応(IVR)がある。中小規模や地方のEC事業者の中には、自社ECサイトだけでなく電話でも注文を受け付けているケースが少なくない。また、事業規模にかかわらず、顧客から問い合わせが集中するタイミングはあるだろう。自動で対応可能になれば、工数が削減できる上に顧客データの蓄積・活用にも役立つ。
さらに、会員プログラム機能の拡張も予定されている。「カラーミーショップ byGMOペパボ」では、顧客がLINEアカウントで自社ECサイトにログインできる新機能を準備中だ。寺井氏は「コミュニケーションツールであるLINEとの連携によって、ロイヤル顧客を育成する施策が生まれる」と説明する。
新たに追加される機能は、リアルイベントをはじめとするユーザーとの交流からアイデアを得たものも多い。それにあわせて、「カラーミーショップ byGMOペパボ」は制作会社とも定期的にコミュニケーションを取りながら、EC事業者の悩みやトレンドをインプットしている。そんな生の声からニーズを捉えられる強みを、どう生かしていくのだろうか。
「ユーザーを支援しながら、それぞれの事業成長を肌で感じています。法人ユーザーが求める機能の拡充をより一層加速し、今後も伴走していきたいです」(太田氏)
「その鍵を握るのは、他社ツールとの連携だと思います。『カラーミーショップ byGMOペパボ』は、在庫管理など様々なEC支援ツールとの掛け合わせによって、包括的にユーザーを支える地盤を作ってきました。将来的には、さらに大規模な事業者も支えられるようなサービスに成長したいです」(寺井氏)