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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

MMOL Holdings河野氏がホットなトピックに迫る! EC×AI活用最前線

これからは“AIが選んで動けるEC”でしか買われない?体験改善に向けた3Stepとチェック項目を紹介

 あらゆる企業がEC進出し、競争が激しくなる一方で、EC化率の伸びが鈍化して投資が難しくなったり、深刻な人手不足と直面したりと、業界全体を見ればあらゆる課題がある昨今。新たな打ち手を探す中で、AIに活路を見出すケースも少なくないでしょう。本連載では、誤った認識のまま多額の投資やビジネス戦略策定をしないよう、EC業界の変革に関連するAI関連のニュースやユースケースを紹介しながら、「これからのEC×AIのありかた」をMMOL Holdings代表取締役の河野貴伸氏がお伝えします。第4回は「AIに選ばれるECサイト改善の3Stepとチェック項目」について学んでいきます。

前回の記事はこちら

AEO・ASO運用に着手する前に把握したい「今、検索の世界で起きていること」

 MMOL Holdings 代表の河野です。前回は「AIエージェント時代の検索対策」をテーマに、検索体験の変化を共有しました。今回は一歩踏み込み、AEOとASOを“運用できる形”に落とし込む、ワークフロー・チェックリスト・ダッシュボード設計をまとめます。最後には、直近発表されたGoogleのAP2(Agent Payments Protocol)と、ShopifyのCheckout Kitが広げる決済の未来についても、頭出ししていきたいと思います。

改めて用語の意味をおさらい

  • AEO:Answer Engine Optimization(=AIに“選ばれる”)
  • ASO:Agent Search/Action Optimization(=エージェントが“行動できる”)

世の中の“答え”と“行動”の距離は倍速で縮まっている

 2025年9月、いよいよGoogle検索の「AIモード」が日本でも提供開始されました。同じくGoogleのAI Overviewsや、Perplexity AIなどといったAI回答面への可視性が、従来の「検索順位」に匹敵する重要KPIになりつつあります

 Googleは「AI検索が導入されてもクリックは全体として安定している」と公式ブログで主張していますが、パブリッシャーやウェブサイト運営者(配信側)からは懐疑的な声も挙がっています。実際、Ahrefsのブログではクリック減のデータも提示され、議論は継続中です。

 こうした状況を踏まえつつ、本記事で私が伝えたいのは「こうした議論が現在進行形で進む今だからこそ、“AIに選ばれる確率”を上げ、表示された上で“動ける導線”を自前で計測・改善できる体制が必要」ということです。次のように、各社はすさまじいスピードでアップデートを続けています。既に、“答え”と“行動”の距離は想像以上に縮まっているのです。世の中が進みきる前に、対策を打っていきましょう。

エージェントコマースにまつわる直近の各社のアップデート(2025年10月時点)

  • OpenAI:「Operator」でブラウザ操作・フォーム入力・購入補助まで実現。さらに、Stripeとの共同開発により「Agentic Commerce Protocol (ACP) 」を公開し、アメリカでのInstant Checkout(チャット内からの直接商品購入)も既に実現し始めている
  • GoogleAI Modeに価格追跡/バーチャル試着/agentic checkoutを組み込み、会話→比較→購入の標準化を推進
  • Shopify:「Storefront MCP server」「Customer Accounts MCP server」でエージェントからの検索・カート操作・注文/返品照会を公式に提供
  • Amazon:会話型ショッピング「Rufus」をアプリ本体に統合し、画像検索(Lens Live)など行動系機能を拡張

次のページ
“選ばれ”かつ“その場で買える”仕組みを作る実務ワークフロー3Step

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この記事の著者

ミリモルホールディングス株式会社 代表取締役/CAIO 河野貴伸(コウノタカノブ)

 1982年生まれ。東京の下町生まれ、下町育ち。からくり人形師を祖に持つ河野家の十五代目。2000年からフリーランスのCGクリエイター、作曲家、デザイナーとして活動。2013年、ブランディングエージェンシー、株式会社フラクタ創業、代表取締役就任。2020年、上場企業にバイアウト。2024年1月、フラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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