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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ソーシャルコマースは買い物をどう進化させるか

EC化率1%未満でも可能性を見出した北海道のベル食品 鍵を握るのはフォロワー急増中・公式Xの中の人

いきなりXの「中の人」に 2年でフォロワー数1,000人→6万人を実現した運用方法

──地方メーカーが全国に進出する上では、SNSなどを活用した認知拡大施策も重要ですよね。ベル食品はX公式アカウントのフォロワー数が2024年10月時点で6万人を超えていますが、オンラインで顧客とつながるコツはありますか。

ジンたれ君 当社のXアカウントは2012年から存在していたものの、10年経った2022年でもフォロワー数が1,000人程度でした。元々は各部署の社員が持ち回りで投稿していましたが、仕事の合間に内容を考えるのは負担ですし、効果がなければ何のためにやっているのかわからず、モチベーションが上がりません。そこで、思い切って私がいわゆる「中の人」になろうと決めました

 まずは、ユーザーに「ベル食品のXアカウントがある」と気づいてもらう必要があります。運用開始当初は徹底的に「エゴサーチ」をして、当社の商品を紹介している投稿に「いいね」したり、フォローして引用ポストとともに感謝の気持ちを伝えたりしていました。

 中には、成吉思汗たれに一味や生姜、りんご、パイナップルなどを入れたオリジナルレシピの投稿も少なくありません。これらを引用して広めれば、ほかのユーザーにも様々な楽しみ方を知ってもらうきっかけを提供できます。

 しかし、それだけではフォロワー数の増加は微々たるものです。そのため、フォローや投稿のリポストをしてくれたユーザーに、抽選でプレゼントを贈るキャンペーンも定期的に実施しています。北海道の地元メーカーはもちろん、道外・他業界とのコラボキャンペーンも積極的に行っています。実際、同施策が大幅なフォロワー増加につながりました。

──必然性を感じて「中の人」になったとはいえ、限られたリソースで毎日投稿を続けるのは大変ではないかと思うのですが、継続するために意識していることはありますか。

ジンたれ君 無理にキャラクターを作らず、素の自分でコミュニケーションを取るようにしています。正直なところ、私は今まで仕事以外でSNSを利用したことがほとんどありません。そのため、本来の性格と異なる言葉遣いで投稿しても、続けられる自信がありませんでした。今は、フォロワーが友達感覚で会話できる存在でありたいと思っています。

 私は道外出身で、19歳のときに大学進学のため北海道に住み始めました。そして、道民のソウルフードともいえるスープカレーが好きという理由で、今ベル食品で働いています。純粋な北海道民ではない分、客観的に当社の魅力を理解できる点が強みです。その感覚を生かして、当社とお客様をつなげる「橋渡しのような役割」を担っています。

──Xで投稿を続ける中で、印象的だった出来事はありますか。

ジンたれ君 当社は現在、プロサッカークラブ「北海道コンサドーレ札幌」のクラブパートナー(スポンサー)に加盟しているのですが、それもXがきっかけです。私が当社に関連した投稿を探していたところ、北海道コンサドーレ札幌のサポーターの方が「ベル食品がスポンサーになれば良いのに」と発信しているのを見かけました。同投稿をX上で引用ポストすると、ほかのサポーターの方々も賛同してくれて、実現に至ったのです。当社とお客様の信頼関係が生まれている証拠だと実感しました。

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目標は2028年までにEC売上1億円 「公式」から購入するメリットを創出できるか

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/15523 2024/11/14 07:00

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