「何年経っても見たくなる動画」を意識 約65%がリピート視聴者に
映像制作会社勤務を経て、2018年にクラシコムへ入社した田中氏は、同社が新たな顧客接点として動画に本格的に着手するために、第一号として採用されたスタッフだ。入社以降、柱となる企画を作り、安定した更新ができる体制を整えるためにフォーマット開発など、様々なトライ&エラーを重ねてきたという。
月平均6本から7本の動画を更新し、YouTubeチャンネルの成長とともにスタッフを増員している動画チーム。現在は、6名のメンバーで運営しているそうだ。組織を作り、チャンネル自体の育成に取り組んできた田中氏に、まずはここまでの変遷や運営のスタンスについて聞いてみた。
「『北欧、暮らしの道具店』公式YouTubeチャンネルがここまで成長した背景には、まず“動画”というチャネルそのものが発展してきた時代の流れが大きく影響していると思います。
もちろん、市場が大きくなれば自然と伸びるわけではないため、わたしたちも屋台骨となるコンテンツの開発を常に進めてきました。『モーニングルーティン「わたしの朝習慣」』や、『ルームツアー「あそびに行きたい家」』はその代表例です。こうした企画のフォーマットを作る際には、常にYouTube視聴者の視点とクラシコムが大事にしたい想いの調和を意識してきました」
動画を発信するチャネルとして一般にも定着しているYouTubeは、既に再生回数を獲得しやすいトピックや尺、構成などの“王道パターン”が世に出回りつつある。瞬間的に注目を集めるため、これらをハックするYouTuberなども存在するが、クラシコムでは「今ニーズがあり、なおかつ数年経った後も見たくなる動画を意識して制作している」とのこと。
「再生回数の伸びは、人選や扱うトピック、切り口など様々な要素が関係していると6年ほど運営してわかってきました。もちろん、公開時期も重要です。しかし、流行りに飛びついて1年後にまったく再生されない動画よりも、わたしたちは『いつ見ても楽しめる、ふとした瞬間に何度でも見返したくなる動画を作ろう』とチームで話し、取り組んできました。
その甲斐あってか、先日発表したプレスリリースでも触れていますが、『北欧、暮らしの道具店』公式YouTubeチャンネルは、65%の方がリピート視聴をしてくださっています。これは非常に嬉しい結果です」