「売上貢献スコア」に基づいて、何を売ればよいかを提示
では、狙った客単価帯の注文件数を増やすには、どんな商品を重点的に売ればよいのか。FULL KAITENはそこをサポートする機能も備えており、客単価帯別に何が主力商品となっているのか、その分析結果を表示できる。これを参照し、該当する客単価帯の主力商品に注力して各種販促施策を展開すればよい。
FULL KAITENを活用することで、たとえば広告を打つ際や、バナーやLPを制作する際も、漠然とした「率」の改善ではなく、売上増加のために何をどれくらい売ればよいのか、しっかりと狙いを定めたうえで販促計画までつなげていくことができる。
この「何を売ればよいか」という分析は、FULL KAITEN独自の「売上貢献スコア」というテクノロジーによって実現している。
「売上貢献スコアは、その商品がひとつでも含まれている注文の平均客単価と、AIによる今後の販売予測値をもとに自社開発のアルゴリズムで導き出しています。売上貢献スコアの高い商品は、狙いどおりの客単価になる確率が高く、かつ今後も売れる見込みが高い商品ということになります」と瀬川さんは説明する。
また、商品の分析結果として、「単品販売に適した商品か」や「どの商品と一緒に注文されたときに狙った客単価になるのか」など、単品向きか同梱向きかの目安となる情報も提供される。これにより、売上貢献スコアが高い商品の同梱セットを提案したり、商品ページでの合わせ買いのレコメンド設定などに活用することも可能だ。
「商品起点」でマーケティングを捉え直すべき
FULL KAITENの売上増加機能により、「どの店舗で」「どういう客単価を狙って」「どの商品を」「どんな組み合わせで」売るかを突き詰めていけば、「売上はパズル感覚で増やせる」と瀬川さんは言う。
「そうなると、売上貢献スコアの高い商品をいかに打ち出していくか、販促施策を考えるのも楽しくなってきます。売上増加のためにと数字だけを追いかけるのではなく、『主役』である商品に向き合って、モノを売る楽しさを感じていただきたいですね」
アクセス解析、ウェブ接客、A/Bテスト、MAなどのマーケティングツールをもとに進められるECのマーケティングでは、この「商品が主役」という当たり前にも思える視点が欠けていることが多いのではないかと瀬川さんは指摘する。
「いかに効率よく売るかということばかりに特化して、肝心の商品が置いてきぼりになっているように感じます。もちろん、既存のツールはまったく使う意味がないというわけではありません。『何をどう売るのか』を明確にしたうえで、その商品を実際に売るための導線の改善などに使うなら十分意味はあります。ただ、そこが抜け落ちたままツールを使って数字だけを改善しようとしても、成果は出ないでしょう。小売企業のマーケターの方たちには、ぜひマーケティングを『商品起点』で捉え直していただきたいと思います」