DMとEメールを組わせたコミュニケーションで効果を上げる
イーリスコミュニケーションズの鈴木氏は、前職の日本郵便時代にさまざまな企業との間でデジタル施策とアナログ施策(DM)の融合について実験を行ってきた。そこから得た知見として、鈴木氏はまず、コミュニケーションの手段としてEメールよりDM、そしてDM単体よりもEメールとDMの組み合わせのほうがリーチ率が上がることを挙げた。
「ターゲットを3つのクラスタに分け、それぞれにEメール、DM、DM+Eメールを送付して反応を計測するというテストを、BtoB、BtoCを問わず多様な企業と一緒に実施してきましたが、いずれも同じ結果になりました」(鈴木氏)
また、DMとEメールの組み合わせでは送付する「順番」も重要であり、DMを先に送ったほうがより効果が高くなるという。実際に富士フイルムと行った実証実験では、DMの後にEメールを送付(A)、Eメールの後にDMを送付(B)、Eメールのみ2回送付(C)という3パターンで比較したところ、注文率(コンバージョン)はAが14%、Bが12%、Cは3%という結果となった。
「まず、DMのほうがEメールよりも開封率が高いという特性の違いがあります。また、Eメールは一度開封されて読まれたとしても、すぐに他のメルマガなどに埋もれて忘れられてしまうことが多く、反応期間が短いんです。反応期間の長いDMが記憶に残っている間に『お手紙届いていますか?』というフォローメールを送れば、そのEメールの開封率も上がります。さらに、DMで案内されているウェブサイトに手動でアクセスするのが面倒で後回しにしていた人も、Eメール内のリンクから簡単にアクセスできるようになるので、より高い効果が期待できます」