広告費増加はわずか2%、注文数は83%増でROAS大幅改善
――「防災対策」や「グランピング」というインサイトをもとに、具体的にどのような施策を実行されたのでしょうか。また、その成果について詳しく教えてください。
ケイラー 抽出したインサイトに基づき、クリエイティブの最適化を徹底的に行いました。特に「防災対策」のニーズに応えるため、海外ではあまり使われない「地震などの災害時に家電が使える安心感」を訴求するクリエイティブを制作し、日本市場に合った訴求を心掛けました。
また、購入者のインサイトから女性の購入者が多いことも判明したため、女性を意識したクリエイティブも制作しました。さらに、Fire TVでの広告も活用して認知も拡大し、認知から購買まで一貫して同じメッセージに接触させるフルファネル戦略を徹底しました。

――認知獲得から購買まで、シームレスな体験設計を行ったのですね。定量的な成果はいかがでしたか?
ケイラー 結果として、注文数は83%増加し、ROASは135%改善しました。驚くべきは、この大幅な注文数増加に対して広告費の増加はわずか2%に抑えられた点です。これは、予算を大きく増やすことなく、オーディエンスやタッチポイントを最適化したことで、ROIを大幅に向上させることができたことを示しています。
また、AMCのインサイトから「動画広告の接触から21日後にコンバージョンが発生する傾向」があることも突き止めました。このインサイトをもとに、リマーケティングキャンペーンのタイミングを正確に合わせることで、無駄な広告費を徹底的に削減し、効率的な運用に繋げることができました。
Z世代へのリーチに最適なTwitchとFire TV
――UGREEN様との施策に関しては、実施に際しどのような課題があったのでしょうか。
ケイラー UGREEN様は国内で一定の市場シェアを獲得していましたが、競合他社と比較して、ブランドとしての「個性」や「ロイヤリティ」が低いという課題を抱えていました。そこで、ブランド力を強化し、特に若年層のロイヤリティを高める戦略を考えておりました。
その中で、UGREEN様は主力製品であるPC周辺機器と相性の良いZ世代をはじめとした若年層のゲーマーをオーディエンスに据え、人気ゲームタイトル「原神」とのコラボレーション商品を発売しました。この商品の認知並びにUGREEN様のブランディングを強化する施策を提案しました。
――具体的には、どのチャネルを活用してオーディエンスにアプローチしたのですか。
ケイラー Amazon Adsでは、ゲーマー層へのリーチに向いているサービスであるTwitchとFire TVの広告の活用を提案しました。TwitchはZ世代のゲーマーが多く集まるサービスであり、ゲームタイトルとのコラボレーション展開との相性も抜群です。
また、Fire TVはプライム会員の利用者が多く、統計的にも比較的世帯収入が高い傾向にあります。単なる認知だけでなく、ファンとしてグッズを購入してくれる層へのアッパーファネルでのアプローチに活用できると判断しました。

