ポイントでは“本質的な還元”ができない Anker マイレージプログラムの成り立ち
金子(ヤプリ) 芝原さんとお話するのは初めてですが、モバイルバッテリーをはじめとするAnkerグループ製品は日頃から使わせていただいています。まずは、芝原さんのご担当領域について教えていただけますか?
芝原(アンカー・ジャパン) 私が本部長を務める事業戦略本部は、売上を生み出す「ブランド(縦軸)」と「チャネル(横軸)」をそれぞれ見る部署です。担当しているブランドは、モバイル充電の「Anker」とオーディオ&ビジュアルの「Soundcore」で、両ブランドの売上責任を負いながら、公式EC・アプリを担当するD2Cチームと、ECモールの店舗運営をするeコマースチームのマネジメントを行っています。
金子(ヤプリ) アプリ戦略についてお聞きする前に、サイトを見て気になっていた「Anker マイレージプログラム」について教えてください。2024年7月に会員プログラムをリニューアルされていますが、これにはどのような背景があったのでしょうか。
芝原(アンカー・ジャパン) マイレージプログラムに移行する前は、会員向けにポイントプログラムを展開していました。ただ、当社はポータブル電源やプロジェクターなど、高価格帯の製品も扱っているため、購入金額に応じて会員ランクが上がり、ランクに応じたポイント還元を行う仕組みがフィットしないな、と感じていたんです。顧客のロイヤル化施策として行っているはずの取り組みが、ブランドへのコミットメントと相関しづらいといいますか。
金子(ヤプリ) 確かに、本来は高額製品を1回買ったお客様よりも、年に何回も購入してくれるお客様に還元すべきはずなのに、ポイントという括りだとそれは難しくなってしまいますね。
芝原(アンカー・ジャパン) 当社としては、より深くブランドに関わってくださるお客様に報いたいと思い、ポイントからマイルへの制度変更を決めました。製品購入だけでなく、アプリのインストール&ログインや直営店「Anker Store」でのチェックイン、お気に入り登録やレビュー投稿など、様々なアクションを通じてマイルを貯めること自体を楽しんでもらえればお客様との接点も増えますし、ロイヤリティをより高められるのではないかと考えたのです。
金子(ヤプリ) ヤプリの導入企業様でも、近年ポイントからマイレージに移行したいというお声は増えています。トレンドよりも少し早い時期から取り組まれていると思いますが、手応えはいかがですか?
芝原(アンカー・ジャパン) ありがたいことに、開始当初から順調に会員登録者数は増えていますし、マイレージプログラムを積極的に活用されているお客様のLTVも伸びています。特にコアなファンの方は、メリットをしっかり理解された上で使っていただけている実感がありますね。
一方で、ライトなファン層や初めてAnkerグループ製品を手にするお客様に対して、この仕組みをいかにシンプルに分かりやすく伝えるかが今後の課題です。参加してくれるお客様の層をより広げていきたいなと思っています。
