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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

スマホから広がるコミュニケーションの幅 アプリ活用最前線

熱狂的ファンを可視化できた アンカー・ジャパンが語るD2C×アプリ戦略の真髄

 顧客と密な関係を築く接点として、既に定着しつつあるブランドアプリ。本連載は、各社が生み出す個性ある体験や施策から得た発見に株式会社ヤプリ 執行役員CCO 兼 エバンジェリストの金子洋平氏が迫ります。第1回は「Anker Japan 公式アプリ」を運営するアンカー・ジャパン株式会社 執行役員/事業戦略本部 本部長 芝原航氏との対談です。

ポイントでは“本質的な還元”ができない Anker マイレージプログラムの成り立ち

金子(ヤプリ) 芝原さんとお話するのは初めてですが、モバイルバッテリーをはじめとするAnkerグループ製品は日頃から使わせていただいています。まずは、芝原さんのご担当領域について教えていただけますか?

芝原(アンカー・ジャパン) 私が本部長を務める事業戦略本部は、売上を生み出す「ブランド(縦軸)」と「チャネル(横軸)」をそれぞれ見る部署です。担当しているブランドは、モバイル充電の「Anker」とオーディオ&ビジュアルの「Soundcore」で、両ブランドの売上責任を負いながら、公式EC・アプリを担当するD2Cチームと、ECモールの店舗運営をするeコマースチームのマネジメントを行っています。

アンカー・ジャパン株式会社 執行役員 事業戦略本部 本部長 芝原航氏
アンカー・ジャパン株式会社 執行役員/事業戦略本部 本部長 芝原航氏

金子(ヤプリ) アプリ戦略についてお聞きする前に、サイトを見て気になっていた「Anker マイレージプログラム」について教えてください。2024年7月に会員プログラムをリニューアルされていますが、これにはどのような背景があったのでしょうか。

芝原(アンカー・ジャパン) マイレージプログラムに移行する前は、会員向けにポイントプログラムを展開していました。ただ、当社はポータブル電源やプロジェクターなど、高価格帯の製品も扱っているため、購入金額に応じて会員ランクが上がり、ランクに応じたポイント還元を行う仕組みがフィットしないな、と感じていたんです。顧客のロイヤル化施策として行っているはずの取り組みが、ブランドへのコミットメントと相関しづらいといいますか。

金子(ヤプリ) 確かに、本来は高額製品を1回買ったお客様よりも、年に何回も購入してくれるお客様に還元すべきはずなのに、ポイントという括りだとそれは難しくなってしまいますね。

芝原(アンカー・ジャパン) 当社としては、より深くブランドに関わってくださるお客様に報いたいと思い、ポイントからマイルへの制度変更を決めました。製品購入だけでなく、アプリのインストール&ログインや直営店「Anker Store」でのチェックイン、お気に入り登録やレビュー投稿など、様々なアクションを通じてマイルを貯めること自体を楽しんでもらえればお客様との接点も増えますし、ロイヤリティをより高められるのではないかと考えたのです。

金子(ヤプリ) ヤプリの導入企業様でも、近年ポイントからマイレージに移行したいというお声は増えています。トレンドよりも少し早い時期から取り組まれていると思いますが、手応えはいかがですか?

芝原(アンカー・ジャパン) ありがたいことに、開始当初から順調に会員登録者数は増えていますし、マイレージプログラムを積極的に活用されているお客様のLTVも伸びています。特にコアなファンの方は、メリットをしっかり理解された上で使っていただけている実感がありますね。

 一方で、ライトなファン層や初めてAnkerグループ製品を手にするお客様に対して、この仕組みをいかにシンプルに分かりやすく伝えるかが今後の課題です。参加してくれるお客様の層をより広げていきたいなと思っています。

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熱狂的ファンを可視化できた2023年実施の“あるアプリ施策”とは

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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